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被告
「被告〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
被告の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
びた好奇心だの非難だのあるいはまた同情だのを見透《みす》かされないためもあれば、
被告じみた妹の心もちを楽《らく》にしてやりたいためもあったのだった。しかし辰子は....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
七 公判は予定の日において金沢地方裁判所に開かれたり。傍聴席は人の山を成して、
被告および関係者水島友は弁護士、押丁《おうてい》らとともに差し控えて、判官の着席....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
が済むと、私の身柄は直ちに近郊の刑務所に移された。やがて判決|言渡があった。 「
被告ヲ懲役五年ニ処ス!」 私は晴れて刑務所の人間になった。私は落ちつくところへ....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
な……刑事部の二号法廷で、ちょっとした窃盗事件の公判がはじまったんです。 ……
被告人は、神田のある洗濯屋に使われている、若い配達夫でして、名前は、山田……なん....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が、しかし今夜からは、充分よく眠られるように計らいましょう。だいたい、これが刑事
被告人の天国なんですよ。捕繩で貴女の手頸を強く緊めるんです。そうすると、全身に気....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
だ。が、実際はそうでもないらしい。今までは、重罪だったので、陪審の人たちが多くは
被告に同情して、容易にそれを有罪にさせなかった。また、よし有罪ときまっても、容易....
「獄中記」より 著者:大杉栄
市ヶ谷の巻 前科割り 東京監獄の未決監に「前科割り」というあだ名の老看守がいる。
被告人どもは裁判所へ呼び出されるたびに、一と馬車(この頃は自動車になったが)に乗....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
々凡夫に帰る。 ほかでそんな機会はなかったが、東京監獄での第一の楽しみは、女の
被告人か囚人かを見ることであった。このことも前にちょっと言った。 僕等はいつも....
「橋」より 著者:池谷信三郎
に書きつけられた会話筆記は、その中から適宜に取りだした断片的の覚書である。 問。
被告は感情に何かひどい刺戟を受けたことはないか? 答。橋の向うの彼女を知ろうとす....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
しよう。社会主義者が人類を別けて紳士閥と平民との二になすがごとく、監獄では待遇上
被告人を二つの階級に別けてある。しこうしてその一は雑房に住み、他の一は独房に住む....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
弁護をひき受けた。刑事ではあるまい、おそらく民事であろう。それが原告であったか、
被告であったか知らないが、ともかくも裁判の結果が、ある婦人に甚だしい不利益をあた....
「墓」より 著者:秋田滋
ぬ骨を折った。かくて法廷が再び静粛になると、裁判長は厳かな口調でこう訊いた。 「
被告には、申し開きになるようなことで、何か云っておきたいことはないかね」 弁護....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
の湿っぽい牢屋がなく、苦痛に絞る叫喚の合間合間に、判官たちが静かに聴取書を取った
被告の陳述がなかったなら、はなやかなエリザベス朝の文化もけっして存在せずに終わっ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
くれたのが、若き日の片山哲、麻生久、三輪寿壮の諸氏であった。裁判の最後になって『
被告になにかいうことはないか』と裁判長がいったので『デモの妨害をしたのは警官であ....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
めていらしたわ、あんな熱のこもった弁論を聴くのは全く珍らしい事だ、あれじゃたとえ
被告が死刑の判決を下されたって、満足して、尾形君に感謝を捧げながら冥土へ行くだろ....