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被告人
「被告人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
被告人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
が寛大の刑に処せられることに対して、大した抗議を懐くものではありません。否、その
被告人にいくらかでも同情すべき点がある時などは、世人は刑罰が軽ければ軽いほど、一....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
な……刑事部の二号法廷で、ちょっとした窃盗事件の公判がはじまったんです。 ……
被告人は、神田のある洗濯屋に使われている、若い配達夫でして、名前は、山田……なん....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が、しかし今夜からは、充分よく眠られるように計らいましょう。だいたい、これが刑事
被告人の天国なんですよ。捕繩で貴女の手頸を強く緊めるんです。そうすると、全身に気....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
のであります」 小塚検事は静かに支倉を観察した。そうして傍にあった神楽坂署から
被告人と共に送って来た戸籍調書と前科調書とに眼を落とした。直ぐその傍には証拠物件....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
ドワード・マーシャル・ホール卿(当時ミスター)で、裁判長はスクラトン氏であつた。
被告人は徹頭徹尾殺人を否認した。しかし結局、陪審員は有罪の答申をなし、
被告人には....
「獄中記」より 著者:大杉栄
市ヶ谷の巻 前科割り 東京監獄の未決監に「前科割り」というあだ名の老看守がいる。
被告人どもは裁判所へ呼び出されるたびに、一と馬車(この頃は自動車になったが)に乗....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
々凡夫に帰る。 ほかでそんな機会はなかったが、東京監獄での第一の楽しみは、女の
被告人か囚人かを見ることであった。このことも前にちょっと言った。 僕等はいつも....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
之に対しては匂坂検察官の、痒い処へ手が届いたような論告が、弁明している。曰く「
被告人等の行為が前述反乱罪の外更に殺人・殺人未遂・及爆発物取締罰則違反等の罪名に....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
しよう。社会主義者が人類を別けて紳士閥と平民との二になすがごとく、監獄では待遇上
被告人を二つの階級に別けてある。しこうしてその一は雑房に住み、他の一は独房に住む....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
下は陪審官に向って次のようなことを告げなければならないと言った。諸君の面前にいる
被告人は、年こそ若いが、死刑に価する叛逆の術策では極めて老獪である。彼が吾々の公....
「嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
す。美しきを見て美しと思い、甘きを食って甘しと思う人間です。ですから、まのあたり
被告人を見たり、そのいうところを聴いたり、いろいろと裏面の事情などを知ったりすれ....
「殺人狂の話」より 著者:浜尾四郎
の事件は公訴の提起を見、十月二十六日にヴァッヘルは重罪裁判所で公に取調べられた。
被告人は三十歳位、非常に神経質に見えた。常に目は動いて一ヶ所を見つめない。何とな....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
後で、事件は予審に繋属《けいぞく》していたのです。御承知でしょうが此の時分には、
被告人に接見する事は禁止されて居りましたし、検事も予審判事も事件の内容に就ては、....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
という有名な実業家の息子で、須山春一という、あの当時二十五歳の青年が、刑事事件の
被告人として法廷に立った事があります。この話はあの事件から出発しますが、あの時、....
「正義」より 著者:浜尾四郎
聴して居ました。あの、あなたが弁護してやってる森木国松《もりきくにまつ》っていう
被告人ですね、あれが松村子爵《まつむらししゃく》を殺したとは僕にも一寸考えられま....