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被服
「被服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
被服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
て来はしないかとも思われる。その退屈な空の下で、高架《こうか》鉄道を汽車が通る。
被服廠《ひふくしょう》へ通う荷馬車が通る。店の戸が一つずつ開《あ》く。自分のいる....
「橇」より 著者:黒島伝治
イワンが、弟の方に向いて云った。 「いいや!」商人の眼は捷くかがやいた。「糧秣や
被服を運ぶんだ。」 「糧秣や
被服を運ぶのに、なぜそんなに沢山橇がいるんかね。」 ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
うのを待っている引率の軍曹はさん/″\に毒づいた。 上川は、一度しらべた他人の
被服記号をもう一度、汚れた手でひねくった。 「誰れか俺れのやつを間違って着とるん....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
0.80 室代……………………………2.00 雑費(病気や娯楽)…………2.00
被服……………………………2.00 ――――――――――――――― 合計………....
「チチハルまで」より 著者:黒島伝治
うに散乱していた。和田たちの中隊は、そこを占領した。支那兵は生前、金にも食物にも
被服にもめぐまれなかった有様を、栄養不良の皮膚と、ちぎれた、ボロボロの中山服に残....
「東京要塞」より 著者:海野十三
る防備は、わずかこの半年の間に、従来の五倍大になった。飛行機、爆弾、燃料、食糧、
被服などは、どの倉庫にも一杯になって、中には急造バラックの中に抛りこまれているも....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
あたしの住んでいた本所の緑町はすっかり焼けてしまったうえに、町内の人たちは、みな
被服廠へ避難したところが、ひどい旋風に遭って、十万人もが残らず死んでしまったとい....
「死者の書」より 著者:折口信夫
たお方様がおざりましたっけ。 ――その時、その貴い女性がの、 たか行くや隼別の御
被服料――そうお答えなされたとのう。 この中申し上げた滋賀津彦は、やはり隼別でも....
「指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
「ああ。」と、僕は思わず叫びました。東京のうちでも本所の被害が最もはなはだしく、
被服厰跡だけでも何万人も焼死したというのを知っていたので、本所と聞いただけでもぞ....
「入営前後」より 著者:黒島伝治
ていたのではやって行けない。掃除もあれば、飯上げもある。二年兵の食器洗い、練兵、
被服の修理、学科、等々、あとからあとへいろ/\なことが追っかけて来るのでうんざり....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
会腐敗の声は、何時になったらば消えるであろうか、金銭を弄び下等の淫楽に耽るの外、
被服頭髪の流行等極めて浅薄なる娯楽に目も又足らざるの観あるは、誠に嘆しき次第であ....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
これ、滅多な事を申されな」 それを制止したのは分別あるらしき四十年配の総髪頭。
被服から見ても医者という事が知れるのであった。 「かの伊賀越の敵討、その起因は当....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
、陸軍の隊長等は仏国教師の言を聞き、これも必要なり彼れも入用なりとて兵器は勿論、
被服帽子の類に至るまで仏国品を取寄するの約束を結びながら、その都度小栗には謀らず....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の、瞬間の、また永遠の真実相であろう。 無慮三万の膃肭獣、 と聞いた。 「あっ
被服|廠だ。」 肉眼で観た、全く。 累々とした
被服廠の死屍、まるであの惨憺た....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
は「お竹倉」に近い小泉町である。「お竹倉」は僕の中学時代にもう両国停車場や陸軍|
被服廠に変ってしまった。しかし僕の小学時代にはまだ「大溝」にかこまれた、雑木林や....