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被虐
「被虐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
被虐の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
糾弾する。若い裁判官は彼の皮肉な弁護振りに思わず苦い顔をする位で、戦闘意識の強い
被虐階級には、有力な味方なのだ。その代りに時に反対せんが為に反対し、一部からは売....
「道標」より 著者:宮本百合子
子の活動的な日常に近づいていた伸子は、一途な思いで、さつき夫人夫婦の考えかたは、
被虐的すぎる、と思った。世間並でない事情をもって愛しあって行こうとする夫婦なら、....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
れを消極方面より観察する時は、被愛撫的満足の飽く事なき願望が超自然的に高潮すれば
被虐待の要望(マゾヒスムス)となり、一転して異性の汚物愛好(コプロラグニー)に進....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
のままに発揮したものであり、特に「春琴抄」は物語の様式をつかわれて、同じ耽美的の
被虐性を描くにしても往年のこの作者が試みた描写での執拗な追究、創造は廃されている....
「今日の生活と文化の問題」より 著者:宮本百合子
性格や感情には一つの快感であるのかもしれないけれども、そこには極めて微妙な女性の
被虐的美感への傾倒も感じられなくはない。能の、動きの節約そのものの性質のなかには....
「女の手帖」より 著者:宮本百合子
うにも絞めた力に対して、まだ自身弁解の労をとる風があるのは不思議である。人民は、
被虐病者《マゾヒスト》ではない筈である。 真面目な若い一人の特攻隊長が、自身の....
「五月の唯物観」より 著者:寺田寅彦
の紺の着物に赤帯、赤|襷で出る。それを見物に行く町の若い衆達のうちには不思議な嗜
被虐性変態趣味をもった仲間が交じっていたようである。というのは、昔からの国の習俗....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
務省参事官の一行が、道庁の警察部長を先導に乗込んだ時には、気抜した萎《いじ》けた
被虐待者から、疑惑に満ちた冷眼で視られた丈で、一言の不平も、一片の希望も聴き取れ....
「澪標」より 著者:外村繁
恥を裸にすることを命じる。私の羞恥は狼狽する。が、命令者は極めて執拗である。私は
被虐的な快感を伴って、遂にその命令に服するより他はない。 三年生になった。その....