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袴着
「袴着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
袴着の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
合いそうもないので、彼女は二枚の女物を引き出した。縞の銘仙の一枚は、外記が五つの
袴着《はかまぎ》の祝儀の時にお屋敷から新しくこしらえて頂いたのを、物持ちのいい彼....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
行こうとすると、 (なあ、)と、今度はちっとぼやけたが、大きな声で、そして、 (
袴着た殿い、な、)と呼懸ける、確かに私を呼んだんだ。どこの山家のものか知らんが、....
「堺事件」より 著者:森鴎外
論弁すべき詞がない。一同お請いたすと云った。 九人のものは流人として先例のない
袴着帯刀の姿で出立したが、久しく蟄居して体が疲れていたので、土佐郡朝倉村に着いて....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ば、武辺、文道、両達の依田学海翁が、一夏土用の日盛の事……生平の揚羽蝶の漆紋に、
袴着用、大刀がわりの杖を片手に、芝居の意休を一ゆがきして洒然と灰汁を抜いたような....
「明治のランプ」より 著者:宮本百合子
終生頭についていた人であるから、金を蓄える方面は一向に駄目で、島根へ、役人として
袴着一人をつれて行っていた暮しの間でも、米沢の家の近所のものには太政官札を行李に....
「源氏物語」より 著者:紫式部
後宮《こうきゅう》よりもまた深くなった。 第二の皇子が三歳におなりになった時に
袴着《はかまぎ》の式が行なわれた。前にあった第一の皇子のその式に劣らぬような派手....
「源氏物語」より 著者:紫式部
将来を明るくしてやれるように思うのだが、失敬だとお思いにならなければあなたの手で
袴着《はかまぎ》をさせてやってください」 と源氏は言うのであった。 「私を意地....
「源氏物語」より 著者:紫式部
が姫君のことを知っていて、非常に見たがっているのです。しばらく、あの人に預けて、
袴着《はかまぎ》の式なども公然二条の院でさせたいと私は思う」 源氏はねんごろに....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
声《だいおんじょう》で見参する。稚気をおびた嫌がらせにすぎないが、輿入れや息子の
袴着祝などにやられると災難で、大祓《おおはらい》をするくらいでは追いつかないこと....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
たいがい切字として用いられるのであります。 この冬を髭たくはへて籠らんか 紅爐
袴着てゆかしや人の冬籠 子規 冬籠仏壇の花枯れにけり 同 どうしても笑はぬ人....