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裁断
「裁断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裁断の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
方の主義者は相互扶助の為めの生存競争だと主張する。私はここで敢えて主義者の見地を
裁断しようとも思わないし、又私の自然科学に対する空疎な知識はそれをすることも許し....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が体腔の空洞で共鳴されたものに違いなかった。こうして、法水の推理によって、人形を
裁断する機微が紙一枚の際どさに残されたけれども、今聴いた音響こそは、まさしくそれ....
「火薬船」より 著者:海野十三
から、あたまから、若者たちをしかりつけるわけにはいかない。もうこの上は、虎船長の
裁断をまつよりほかに、手段はなかった。このとき船長は、やっと両眼をぱっと開き、一....
「多神教」より 著者:泉鏡花
あろうも知れぬ。いや、御身たち、(村人と禰宜にいう)この婦を案内に引立てて、臨場
裁断と申すのじゃ。怪しい品々かっぽじって来られい。証拠の上に、根から詮議をせねば....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
生の中最も得意の時であった。俸禄も厚く、信任も重く、細大の事務|尽く掌裡に帰して
裁断を待ち、監督川島不在の時は処務を代理し、隠然副監督として仰がれていた。然るに....
「城」より 著者:カフカフランツ
そこに坐るように合図したが、自分は立ち机のそばの廻転椅子に腰かけた。
「あなたは
裁断を一度も習ったことがないの?」と、おかみがたずねた。
「いいえ、一度もありま....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
大きくって元来強壮な質の人であります。
でまた博学であるのみならず、難局を
裁断して遺憾なく、外交上の問題などについては充分処理の出来る人です。
歳はその....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ザベスは窓のそばにこのうえもなく異様な服装で立っていた。黒い甲斐絹をイタリア風に
裁断したドレスが、広幅の黄金の帯で飾られ、|開きにした袖には、緋縁どりが施してあ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
の手紙を利用した。彼等は評議一決して手紙を無言で師匠の馬翁の手先に差出し、馬翁の
裁断によって慧鶴を苦しめる目的を果そうとした。 馬翁はちょっと意地の悪い笑いを....
「渋温泉の秋」より 著者:小川未明
様寂しい、わびしい生活をつゞけている人と、どちらが幸福であるかということは容易に
裁断しがたい。 青く、空の冴えた日の朝である。私は、山に入って、琵琶滝と澗満の....
「波の如く去来す」より 著者:小川未明
のようにさせない。最愛の子を失うた親の悲しみも、月日が経てば忘れ得る。総ては時の
裁断に待つのみだ。たゞ人間の理想も幸福もみな刹那的なもので、軈て最後は絶滅すると....
「人間性の深奥に立って」より 著者:小川未明
を感ぜしめないようにし、国家が其の子供を養って行き、善と美とに対して、子供自身の
裁断をまつように自由に教育することは、何と云ってもそれは好い教育である。....
「男の子を見るたびに「戦争」について考えます」より 著者:小川未明
狂暴なる野蛮力に対して、互に戦うことに於て、いかなる正義が得られ、いかなる真理の
裁断が下され得るかということであります。 正義のために殉じ、真理のために、一身....
「童話の詩的価値」より 著者:小川未明
ロマンチシストであったのです。 この子供の心境を思想上の故郷とし、子供の信仰と
裁断と、観念の上に人生の哲学を置いて書かれたものは私達の求める「童話」であります....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
それを理解感激せしめた上に各自の任務を明確にし、その任務達成のためには広汎な自由
裁断が許され、感激して自主的に活動せしめねばならない。恐れ戦き、遅疑、躊躇逡巡し....