裁物板[語句情報] » 裁物板

「裁物板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

裁物板の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
、ちょいちょい頼みに来て、伯母と親しくしていたところから、時にはお島の坐っている裁物板《たちものいた》の側へも来て、寝そべって戯談《じょうだん》を言合ったりして....
明暗」より 著者:夏目漱石
え》の事であった。その上彼はその日から今日《きょう》に至るまで、ついぞ針を持って裁物板《たちものいた》の前に坐《すわ》った細君の姿を見た事がなかった。彼は不思議....
」より 著者:島崎藤村
きたいものが有るかい」 お雪は気の毒そうに、「そうですねえ……じゃ、豊世さんの裁物板と、それから張板でも譲って頂きましょうか」 「あの張板なぞは、宅でまだ川向....
田舎教師」より 著者:田山花袋
がらりとあけて中にはいった。 年のころ四十ぐらいの品のいい丸髷に結った母親が、裁物板を前に、あたりに鋏、糸巻き、針箱などを散らかして、せっせと賃仕事をしていた....
蒲団」より 著者:田山花袋
歩いているんですよ」 姉は話しながら裁縫の針を止めぬのである。前に鴨脚の大きい裁物板が据えられて、彩絹の裁片や糸や鋏やが順序なく四面に乱れている。女物の美しい....
足迹」より 著者:徳田秋声
も町屋風で、新しい箪笥の上に、箱に入った人形や羽子板や鏡台が飾ってあり、その前に裁物板や、敷紙などが置いてあった。 田舎の町で、叔父が教師をしていた若い時分に....
朝の風」より 著者:宮本百合子
の陽向《ひなた》で腰をのしているときの顔にも微かに油気がついた。毎日毎日神さんは裁物板に向って坐っていて、これまで何をたべているのか分らなかったような店の奥に人....