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「裁縫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

裁縫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文放古」より 著者:芥川竜之介
? そりゃあなた、情《なさけ》ないものよ。だからあたしも世間並《せけんな》みに、裁縫《さいほう》をしたり、割烹《かっぽう》をやったり、妹の使うオルガンを弾《ひ》....
路上」より 著者:芥川竜之介
ガンだけは忘れないと見えるね。」 「オルガンばかりじゃない。この患者は画も描く。裁縫もする。字なんぞは殊に巧《たくみ》だ。」 新田《にった》は俊助にこう云って....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
どと時々民子はだだをいう。そういう時の母の小言もきまっている。 「お前は手習よか裁縫です。着物が満足に縫えなくては女|一人前《いちにんまえ》として嫁にゆかれませ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
袖の下へ秘して来て、四辺を※して、ずぶりと入れると、昔取った千代紙なり、めっきり裁縫は上達なり、見事な手際でチョキチョキチョキ。 母様は病気を勤めて、二階へ先....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
きいが、お三輪といって今年が七、年よりはまだ仇気ない、このお才の娘分。吉野町辺の裁縫の師匠へ行くのが、今日は特別、平時と違って、途中の金貸の軒に居る、馴染の鸚鵡....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
なでいて、しくしく泣き暮らしてでも、お在だったかと思うと、そうじゃないの……精々裁縫をするんですって。自分のものは、肌のものから、足袋まで、綺麗に片づけて、火熨....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
… 裏長屋のかみさんが、三河島の菜漬を目笊で買いに出るにはまだ早い。そういえば裁縫の師匠の内の小女が、たったいま一軒隣の芋屋から前垂で盆を包んで、裏へ入ったき....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
教育のある婦人にあらねど、ものの本など好みて読めば、文書く術も拙からで、はた裁縫の業に長けたり。 他の遊芸は知らずと謂う、三味線はその好きの道にて、時あり....
化鳥」より 著者:泉鏡花
まえたり、膝にのっかったり、針箱の引出を交ぜかえしたり、物さしをまわしてみたり、裁縫の衣服を天窓から被ってみたり、叱られて遁げ出したりしていて、それでちゃんと教....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
ないで子供に食わせる。そして結局からだを壊してしまう。理窟ではどうにもならない。裁縫。きらいである。そのかわり編物は好きらしい。それにミシンがあるので子供のもの....
錦紗」より 著者:犬田卯
道を急ぎ出した。一時間を四十分に短縮することはあえて不可能ではなかった。かつてお裁縫を習いにこの路を町へ通っていた時分の、ある夕方のこと、怪しげな身装の、見も知....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
出ようと、絵のことばかり考えておりました。 母は一人で店を経営し、夜は遅くまで裁縫などしながら、私の画業を励ましてくれました。 烈しい勉強 それか....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
って検死されるのを、死ねば……あの、空から、お振袖を着て見ているから可いわ。私お裁縫が少し出来ます、貴方にも、ちゃんと衣服を着せますよ、お袴もはかせましょうね。....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
れず、くらしも、かつかつ。簪は銀の松葉、それはまだ上等よ。煙管は真鍮まで承って、裁縫の指ぬきの、いまも名誉の毛彫の鏨が、針たての穴を敲いていなすったって処だって....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
である。が、僕はつい近頃やはり当時から在職していたT先生にお目にかかり、女生徒に裁縫を教えていた或女の先生も割下水に近い京極子爵家(?)の溝の中で死んだことを知....