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裂
「裂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
最後に雑誌の広告らしい紙も一枚|翻《ひるがえ》って来る。紙は生憎《あいにく》引き
裂《さ》かれているらしい。が、はっきりと見えるのは「生活、正月号」と云う初号活字....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、むりにおさめようとして、骨を折った。
日の光をいっぱいに浴びた庭先には、葉の
裂けた芭蕉《ばしょう》や、坊主になりかかった梧桐《あおぎり》が、槇《まき》や竹の....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
り》に打ちひしがれて惨死《ざんし》を遂げる画が出て居ります。それから土地が二つに
裂けて、足を過った女子供を呑んでいる画が出て居ります。それから――一々数え立てる....
「影」より 著者:芥川竜之介
、戸の向うの電燈の光が、鍵穴《かぎあな》を洩れるそれであった。
陳はほとんど破
裂しそうな心臓の鼓動《こどう》を抑えながら、ぴったり戸へ当てた耳に、全身の注意を....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
、岩屋の戸らしい一枚岩が、徐《おもむ》ろに左右へ開《ひら》き出した。そうしてその
裂《さ》け目からは、言句《ごんく》に絶した万道《ばんどう》の霞光《かこう》が、洪....
「彼」より 著者:芥川竜之介
こずえ》の葉を吹かせていた。その葉はまた全体も揺《ゆ》らぎながら、細《こま》かに
裂《さ》けた葉の先々をほとんど神経的に震《ふる》わせていた。それは実際近代的なも....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
を開《あ》きながら、突然彼の馬の前に跳《おど》り出した。赤い筋のある軍帽が、半ば
裂けた間からは、いが栗坊主の頭が覗いている。何小二はそれを見ると、いきなり軍刀を....
「女」より 著者:芥川竜之介
いだ》いた薔薇の花の中へまぐれこんだ。そうしてさらにまたある一団は、縦横に青空を
裂《さ》いている薔薇の枝と枝との間へ、早くも眼には見えないほど、細い糸を張り始め....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
した。「ハハワルシ、スグカエレ」――彼は始《はじめ》こう書いたが、すぐにまた紙を
裂《さ》いて、「ハハビョウキ、スグカエレ」と書き直した。それでも「ワルシ」と書い....
「運」より 著者:芥川竜之介
物々しげに通りました。それからその連中にかこまれて、縄にかかった男が一人、所々|
裂《さ》けた水干を着て烏帽子《えぼし》もかぶらず、曳かれて参ります。どうも物盗り....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
を呼びかけながら、全身の力を肩に集めて、何度も入口の戸へぶつかりました。 板の
裂ける音、錠のはね飛ぶ音、――戸はとうとう破れました。しかし肝腎の部屋の中は、ま....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
たのである。 今夜、私は机の前に腰をかけて抽斗を開けた。書いたものをあらまし引
裂いて棄ててしまおうとして、私はむかしの文書を選り分けにかかったのだった。 私....
「初雪」より 著者:秋田滋
うなどと云う突飛な妻の言葉を聞くと、しばらくは唖然としていたが、やがて、胸も張り
裂けよとばかり、からからと笑いだした。銀の器に食い物をいれて飼犬に食わせるほうが....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は少ないものだから」というた。この頃デビーは塩化窒素の研究中であったが、これは破
裂し易い物で、その為め目に負傷をして※衝を起したことがある。自分で手紙が書けない....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ぱなして、イギリスの軍艦をあやうく撃沈しかけたが、惜しくも彼の大砲が六発目には破
裂してしまったということだ。それからまた、一人の老紳士が話しだしたが、この人はた....