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裂帛
「裂帛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裂帛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
のように池の向うの森ばかりを眺めていた。あの森の中には、動物園が在る。きあっと、
裂帛《れっぱく》の悲鳴が聞えた。 「孔雀《くじゃく》だよ。いま鳴いたのは孔雀だよ....
「女の決闘」より 著者:太宰治
が、今や此世に望《のぞみ》を絶ちて自ら縊《くび》れなんとす。 いかがです。この
裂帛《れっぱく》の気魄《きはく》は如何《いかん》。いかさまクライストは大天才です....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
られて見たくば、所望通り対手になってつかわすわッ。抜けッ、抜けッ、抜いて参れッ」
裂帛《れっぱく》の美声を放って、さッと玉散る刄《やいば》を抜いて放つと、双頬《そ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ひと足退屈男の身体があとを追ったかと見えた刹那―― 「馬鹿者ッ、行くつもりかッ」
裂帛《れっぱく》の叱声が夜の道に散ったと同時で、ぎらりと銀蛇《ぎんだ》が閃いたか....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
から、どうも仕方がないのです。と見て、残った二人が必死に逃げのびようとしたのを、
裂帛《れっぱく》の一声! 「またぬかッ。その方共を逃がしては、それこそまさしく片....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
広言にくしとはやったか、右の一槍が、夜目にもしるくスルリと光って、 「えいッ」
裂帛の気合もろともに突っかかったがヒラリ、半身に開いた主水之介の横へ流れて、その....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
こえた。
私はこの時の恐ろしさを、おそらく墓場に入るまで忘れないであろう。全く
裂帛《れつぱく》の叫びとはこの時私がきいたのをいうのだろうが私はその刹那全身が一....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
!」「しめたしめた!」 「さあ取りこめたぞ!」「手捕りにしろ!」 「馬鹿め!」と
裂帛《れっぱく》の女の声! どうやら頭《かしら》の弁天松代が、一ツ橋家の武士ども....
「闘牛」より 著者:野上豊一郎
ま脆くも板囲いの根もとに押し倒され、ピカドルは反ね飛ばされた。 キャーーーッ!
裂帛《れっぱく》の叫び声が私の耳もとで叫ばれた。見ると、弥生子は顔を両手の中に埋....
「日置流系図」より 著者:国枝史郎
ッハッ」とまた笑う。それは多右衛門の声である。 その笑い声が途絶えた刹那またも
裂帛の掛け声がした。矢走りの音、弦返りの響き。 「ワッハッハッハッまだ駄目駄目!....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
足首を掴んだが、真っ逆さまに紋太夫を穴の中へ投げ込もうとした。 「えい!」と云う
裂帛の声、紋太夫の口から※しると見るや、傴僂の老人の小さい体は、幾十丈幾百丈、底....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
するのである。 今は民弥も必死である。サーッと一躍左へ飛び、「エイ!」と掛声!
裂帛の呼吸! 懐刀をまたもや一揮した。と同時に「ワッ」という悲鳴! そうして続い....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
の射法はこれであった。満を持してしばらくもたせたが「曳!」という矢声! さながら
裂帛! 同時に鷲鳥の嘯くような、鏑の鳴音響き渡ったが、源三位頼政鵺を射つや、鳴笛....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ように燃え、眩惑的に美しかったが、その前までやって来た時、 「エ――イ――ッ」と
裂帛の声がかかり、木漏れ陽を割って白刃一閃! 「あッ」 主水だ! 叫声を上げ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
うになった。しかし私にとっては、マリアのように優しいことも、サボナローラのように
裂帛的であることも、ひとしくこれ神学的態度のあらわれなのである。そしていずれにせ....