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「裏側〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

裏側の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海異記」より 著者:泉鏡花
南は暖に、北は寒く、一条路にも蔭日向で、房州も西向の、館山北条とは事かわり、その裏側なる前原、鴨川、古川、白子、忽戸など、就中、船幽霊の千倉が沖、江見和田などの....
深夜の市長」より 著者:海野十三
「…………?」 僕は非常に面喰った。よく見ると、何時書いたものか、女の二の腕の裏側から腋の下へかけて、青いインキで詳しい地図が丹念に書きこんであった。 言う....
階段」より 著者:海野十三
きざんだような可愛い筋が二三本|匍っていた。だがその上を一寸ばかりあがった膝頭の裏側をすこし内股の方へ廻ったと思われるところに、紫とも藍ともつかない記号のような....
地中魔」より 著者:海野十三
面ばかりを注意していましたが、岩の方はその裏を掻いて、地下から坑道を掘り、金庫の裏側のあまり丈夫でないところを破って、金貨を盗んでいったのです」 「一体岩は、そ....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
眠ってしまったのです。……ええ、宿直室は、用務員さん達のが地階で、私達のは三階の裏側に当っています。六階から屋上に通ずるドアーですか? 別に錠は下しません」 ....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
の岬を曲り始めた。内湾を左に見て段々私達がその岬を折れ曲るに従い、鳥喰崎の陰鬱な裏側が見え出して来た。確かにそれは陰鬱だった。 水際には少しも岩がなく、それか....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
玄関口へ戻ると、そこから自分のスキーをつけて戸外へ飛び出し、勝手口の方を廻って、裏側の、開放された居間の窓の下までやって来た。 雪の上に残されていたスキーの跡....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
て、空の雲気を見廻した。軽く矩形に擡げた右の上側はココア色に日焦けしている。腕の裏側から脇の下へかけては、さかなの背と腹との関係のように、急に白く柔くなって、何....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れに櫨木には、パルミチン酸を多量に含んでいるので、弾水性があるからだよ。表面から裏側に滲み込んだ水が、繊毛から滴り落ちて、その下が櫨木だと、水が水滴になって跳ね....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
へ寄港したと聞いた時に、僕はふとあの広告マッチの関東煮としてある方ではなく、その裏側のレッテルに、ヨの字を冒頭にした幾つかの片仮名が、ゴテゴテ小いさく並んでいた....
怪星ガン」より 著者:海野十三
おどった。見える! 頭上、手のとどきそうなところに、謎の構造をもった天蓋の、その裏側が見えるのだ。 はるかに下の町から仰いだところでは、天蓋は、灰色または青色....
雪魔」より 著者:海野十三
ややへばったらしい声を出した。 「もうすぐだ。あそこに峯が見えているだろう。あの裏側だから、そこの山峡を過ぎると、観測所の雪穴が見え出すよ」 彦太は返事の代り....
金属人間」より 著者:海野十三
起こして頓死《とんし》した四十に近い男であって、どこの何者ともわからず、ただ服の裏側に「猿田《さるた》」と刺繍《ししゅう》したネームが縫《ぬ》いつけてあるだけで....
怪塔王」より 著者:海野十三
したか」 「対磁力砲のあべこべ砲――と書いてある。一彦君、ここを見たまえ。機械の裏側に、博士の筆蹟で、管のうえにほりつけてある」 一彦が、のぞいてみますと、な....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
はどの辺にあるのだろう?」 「さあ、ここからは見えないだろう。いずれ向うの尾根の裏側にあたるだろうから」 土田が硝子窓の曇りを拭うのにさそわれて、私も額を寄せ....