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「裏切り者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

裏切り者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
った境界《きょうがい》の言葉づかいをして、昔葉子に誓った言葉などは忘れてしまった裏切り者の空々《そらぞら》しい涙を見せたりして、雨にぬらすまいと袂《たもと》を大....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
」 その声は、怒りにふるえていた。 「警官をよびやがって、よくも裏切ったな……裏切り者め!」 透明人間はガウンの前をひらくと、すばやく、下に着ているものを脱....
深夜の市長」より 著者:海野十三
だ。また動坂三郎は動坂三郎で「乾分たちへの見せしめもあることだから、気の毒ながら裏切り者の妹へ合力をするのは困る」といって婉曲に保護を断ったという。それを聞いて....
馬妖記」より 著者:岡本綺堂
子の金吾中納言秀秋の代になると、間もなく慶長五年の関ヶ原の戦いが始まって、秀秋は裏切り者として名高くなったが、その功によって徳川家からは疎略にあつかわれず、筑前....
審判」より 著者:カフカフランツ
にお願いします」 Kは安心させるように男の腿をたたいて、言った。 「いや、私は裏切り者じゃないですから大丈夫ですよ」 「つまりあの人は執念深いもんですからねえ....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
林様は一笑した。「裏切られたらと云うのだろうが、わしの部下にはそんな者はいない。裏切り者など一人もいない」 振り返って見ると灯火の光が、まだ丸田屋の夏別荘の、....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
り二人へ刀を突き附け、社殿の中へ連れ込もうとした。 しかるにこの時思いもよらず裏切り者が現われた。他でもない祭司のバタチカンで、彼は最初にジョン少年が仲間の土....
剣侠」より 著者:国枝史郎
……さようで……何の咎で?」 「裏切りいたした手下ゆえ」 「はあ」 「憎むべきは裏切り者。……言行一致せざる奴。……」 「はあ」 「失礼ながら貴殿のご姓名は?」....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
が厭になった。香を焚くのも厭になった」 「謀反が起こるに相違ない」 「誰だ誰だ、裏切り者は」 「私はなんだか死んでしまいそうだ」 「私の前身は暗黒だった。ここへ....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ものである。 「仲間うちの者なら盗めるよ」 「ああそれではお嬢様は、仲聞のうちに裏切り者があって、そいつが盗んだとおっしゃるので?」 「そうもハッキリとは云って....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
たしおりましたが、突然父が、『汝、来栖勘兵衛、執念深くもまだ、この有賀又兵衛を、裏切り者と誣いおるか!』と叫びましたが、その時以来……」 栞は、片袖を眼にあて....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
向けたが、沈痛の口調でいい出した。 「この私という人間が世間の者に嫌われまして、裏切り者の子であるとか、不義の人間の子であるとか、噂を立てられます根本は、その三....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
騒ぎ立った。風に木の葉が翻るように、百畳敷の大広間を、右往左往に逃げ惑った。 「裏切り者がいる! 裏切り者がいる!」 「一人ではない! 敵は多勢だ!」 「謀反人....
機関車」より 著者:佐左木俊郎
「それはいいね。僕の方の、機関庫の中の組合も、うまく纏《まと》まりそうなんです。裏切り者が出ずに、これがうまく纏まると、素晴らしいんだ。あなた等なんかの場合の解....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
や、わるいことはできないものでござる。兄弟たちが極度にてまえを恨み、いかにしても裏切り者のてまえに天誅《てんちゅう》を加えねばと、一度長崎表でご用弁となったにか....