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裏合せ
「裏合せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裏合せの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
うにだらけていた。面白くない勝負をして焦立《いらだ》った仁右衛門の腹の中とは全く
裏合せな煮《に》え切《き》らない景色だった。彼れは何か思い切った事をしてでも胸を....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
だ。一番大きな建物には石川という少佐の家があった。その家は、ほかの二つの建物とは
裏合せになって、特に塀で区劃されて、八軒町という町の方に向いていた。もう一つの僕....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
の家の、雇人たちのかなり広くとった共同便所があり、それを越して表通りの足袋問屋と
裏合せになっていた。左横の大門通り側には四軒の金物問屋――店は細かいが問屋である....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は皮肉と陰険と、そのほかに、これらの人物によく現われる、得意と侮蔑《ぶべつ》とを
裏合せにしたような笑い方であります。 そのうちに太田筑前守の老夫人が、また前の....
「三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
は言った――そのように政治を偏狭に考えてはいかんよ。 彼の政治論は彼の人生論と
裏合せだった。政治嫌いを公言してる私が、特殊な自治とか特殊なアナーキズムとかを夢....
「指環」より 著者:田中貢太郎
のびと延ばし、左の手を胸のあたりに置いている己の姿が眼に映った。そのうえ駒下駄を
裏合せにして新聞で包んで作った枕の痛みも頭にあって、たしかに宵に寝たままの姿であ....