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裏屋
「裏屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裏屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
の様に成りました、仕方がないから家主|藤兵衞《とうべえ》へ相談の上、店を仕舞って
裏屋住いに成り、お筆が僅の内職を致しますが居立《いたち》の悪い親を介抱致しながら....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
をして、他所から頂戴して貯えている豹の皮を釣って置く。と枇杷の宿にいすくまって、
裏屋根へ来るのさえ、おっかなびっくり、(坊主びっくり貂の皮)だから面白い。 が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た上に、二軒の得意場をうしなうのは知れている。しかも彼女が現在住んでいる池の端の
裏屋は甲州屋の家作であるから、ここもおそらく追い立てられるであろう。そればかりで....
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
りおろすひまもなかった。どっと、一斉に障子を蹴倒して、五人の者は、先を争い乍ら、
裏屋根伝いに逃げ走った。 追いかけて、パチパチと、銃の音があがった。 同時に....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
、遂に資本を失すような始末で、仕方がないから店をしまって、八丁堀亀島町三十番地に
裏屋住いをいたして居りますと、母が心配して眼病を煩いまして難渋をいたしますから、....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
与平どの――この顔をじーッとごらんなされ、おみつめなされ――牢屋から出されて、
裏屋ずまい、狂うてくらしましたゆえ、さぞおもかげもちがったであろうが、これが、だ....
「みちの記」より 著者:森鴎外
くり、中庭を囲みて四方に低き楼あり。中庭より直に楼に上るべき梯かけたるなど西洋の
裏屋の如し。屋背は深き谿に臨めり。竹樹|茂りて水見えねど、急湍の響は絶えず耳に入....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
正十年)の春以来、応用化学の本場である仏蘭西の巴里ドーフィン街四十番地の古ぼけた
裏屋敷の二階に下宿|住居をして、忠実な男女二人の助手と三人で「化学分析応用……特....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は、ちょうど、そのいくさのあるという上野の山下の雁鍋の真後ろの処(今の上野町)に
裏屋住まいをしている師匠の知人のことに思い当ったのであります。 その人は師匠の....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
洒竹《さらしだけ》などを用ゐたれば、今日《こんにち》吾人の眼より見れば貧しきこの
裏屋も風流閑雅なる隠宅の如き観あり。こは少しく別問題なれども日本の器具家屋に竹材....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
私は敢て自分一家の趣味ばかりのために、古寺《ふるでら》と荒れた墓場とその附近なる
裏屋の貧しい光景とを喜ぶのではない。江戸専制時代の迷信と無智とを伝承した彼らが生....