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「裏店〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

裏店の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
れでこの人は世の中の人に知られないで、何も用のない者と思われて、しじゅう貧乏して裏店《うらだな》のようなところに住まって、かの人は何をするかと人にいわれるくらい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
三年ほど前に潰してしまって、今じゃあ田町を立ち退いて、聖天下《しょうでんした》の裏店《うらだな》にもぐり込んで、風車《かざぐるま》や蝶々売りをやっているそうです....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
博奕《ばくち》にすっかり負けてしまって、表へも出られないような始末になって、狭い裏店《うらだな》に猫火鉢をかかえてくすぶっていると、かの大火事が起った。着のみ着....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
てやろうじゃねえか。ここへ来ねえ」 紙入れから一朱銀を一つつまみ出してやると、裏店《うらだな》の男の児はおどろいたように彼の顔をみあげていた。女房は前垂れで濡....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
女と、十四五の小娘とが向いあって、なにか他人《ひと》仕事でもしているらしかった。裏店《うらだな》の割には家のなかが小綺麗に片付いているのが半七の眼をひいた。 「....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
市もきのうで終ったという九月二十二日の夕方の出来事である。神明の宮地から遠くない裏店に住んでいるおまきという婆さんが頓死した。おまきは寛政|申年生まれの今年六十....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
でいるお作という娘であった。庄太の家はかの酒屋から遠くない露路のなかで、そこには裏店としてやや小綺麗な五軒の小さい格子作りがならんでいた。庄太の家は露路の口から....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は善光寺門前です」 「照之助の家は……」 「照之助は兄きの岩蔵と一緒に、若松町の裏店に住んでいます。兄きも役者で市川岩蔵というのですが、芝居が半分、博奕が半分の....
食魔」より 著者:岡本かの子
少しばかり余裕の金が残った。「僕は賑かなところで死にたい」彼はそれをもって京極の裏店に引越した。美しい看護婦と、気に入りのモデルの娘を定まった死期までの間の常傭....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
打つのが習いであった。 その頃は男の児も筒袖は極めて少なかった。筒袖を着る者は裏店の子だと卑しまれたので、大抵の男の児は八つ口の明いた長い袂をもっていた。私も....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
通の便利の恩恵を受けるにも両様の意味がある。 ▲戸川秋骨君が曾て大久保を高等|裏店だと云ったのは適切の名言である。 ▲其上に我々は市外に駆逐されるばかりじゃ....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
とでも云うべき処を、ご新姐――と皆が呼びましたのは。―― 万世橋向うの――町の裏店に、もと洋服のさい取を萎して、あざとい碁会所をやっていた――金六、ちゃら金と....
月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
て、権助同様のことをしているのも気がきかないというので、師匠の許可を得て、たとい裏店にしても一軒の世帯をかまえることになって、毎日貸家をさがしてあるいた。その頃....
放し鰻」より 著者:岡本綺堂
E君は語る。 本所|相生町の裏店に住む平吉は、物に追われるように息を切って駈けて来た。かれは両国の橋番の小屋....
清心庵」より 著者:泉鏡花
ゃん、まあ何でも可いから、お前様ひとつ何とかいって、内の御新造様を返して下さい。裏店の媽々が飛出したって、お附合五六軒は、おや、とばかりで騒ぐわねえ。千ちゃん、....