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裏日本
「裏日本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裏日本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猫町」より 著者:萩原朔太郎
、あらゆる嘲笑《ちょうしょう》の前に立って、私は今もなお固く心に信じている。あの
裏日本の伝説が口碑《こうひ》している特殊な部落。猫の精霊ばかりの住んでる町が、確....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
の夜のことだった。 ラジオの気象通報は、中国大陸にあった高気圧が東行してかなり
裏日本に迫り、北西風が強く吹き募ってきたことを報じた上、T市地方は二、三日うちに....
「帰去来」より 著者:太宰治
意外な感に打たれた。その前年の秋、私は新潟へ行き、ついでに佐渡へも行ってみたが、
裏日本の草木の緑はたいへん淡く、土は白っぽくカサカサ乾いて、陽の光さえ微弱に感ぜ....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
階で、私を空想家にするのは梯子段の上の汚れた地図ばかりなのです。ひょっとしたら、
裏日本の市振《いちぶり》と云う処へ行くかも知れません。生きるか死ぬるか、とにかく....
「伸子」より 著者:宮本百合子
C大学で比較言語学を専攻し、古代の印度、イラニアン語をやっているのだそうだ。国は
裏日本で、研究の傍《かたわら》、Y・M・C・Aの仕事を手伝っていた。彼は、 「私....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
真木は、市内の或る大学に教鞭を採っている文学士であった。 故郷は、若狭に近い
裏日本にある。そこでは、老齢な父親が、長兄の家族と共に、祖先伝来の、殆ど骨董めい....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
に来ているのを見て大変奇麗だと思いました。少年時代に小鳥とりなどなさらなかって?
裏日本の方ではみんなやるようですね、つぐみはやや大きい黒っぽい鳥で、その色は単調....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
の二階で、私を空想家にするのは、梯子段の上の汚れた地図です。 ひょっとしたら、
裏日本の市振と云う処へ行くかも知れません。生きるか死ぬるか、とに角、旅へ出たい。....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
。 もとより、新羅人や百済人の来朝移住も多かった。南鮮と九州もしくは中国地方の
裏日本側とを結ぶ航海が千数百年前に於ても易々たるものであったことは想像に難くない....
「水と骨」より 著者:佐藤垢石
一 人は常識的には、太平洋へ注ぐ表日本の川の水温よりも、日本海へ注ぐ
裏日本の川の水温方が低いであろうと、考えるにちがいない。 ところが、実際は日本....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
す。昔はこの地方を「越」の国と呼びました。日本海を差挟んで露領と相対し、いわゆる
裏日本の一部を成します。特に北の方は積雪の量が夥しく、しばしば丈余にも達します。....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
はなかろうかと思われる。 我国で大雪に苦しめられるのは、誰でも知っているように
裏日本であって、新潟、富山、石川、山形、長野などを初めとして、北海道、青森、秋田....
「明石鯛に優る朝鮮の鯛」より 著者:北大路魯山人
、大多数が瀬戸内海に入り、または九州、土佐あたりへも分れる。なお他の一部が同時に
裏日本へもまわってきて、ふだんは影だに留めないものが、その産卵期だけ、たい網に入....
「洗いづくりの美味さ」より 著者:北大路魯山人
この洗いがある。これも珍重するに足るのみならず、簡易美食の王者と言えるであろう。
裏日本の各所になまずがいる。これも星がれいに匹敵するような美味さをもっている。 (昭和十三年)....
「くちこ」より 著者:北大路魯山人
格の美食のひとつである。 多く能登に産する。表日本の方では四月ごろ見受けるが、
裏日本のように美味くない。けだし寒海鼠の胎卵である。これの乾燥したものは、東京に....