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裏梯子
「裏梯子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裏梯子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「揃っている筈です」 「そうか。いろいろ気の毒だが、今度は裏口へ案内してくれ」
裏梯子を降りて裏口へまわって、半七は石垣の上に立った。かれは足の下をもう一度みお....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
問した。 「それが、あそこへは一度も昇ったことがありませんので……。ま、とにかく
裏梯子をかけてみましょう。どうぞ、こちらへ」 周囲の人々の眼に送られて、両人が....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
後も無く早口にこう話し出した。 ――宵の灯が点くと間もなく、お由は何時もの通り
裏梯子から、山名国太郎が間借りをしている二階へ上って来たのであった。 「今夜はね....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
遅くなりましたが、街へ踊りに出かけましょう。出ていらっしゃいませんか」 「なぜ、
裏梯子から上っていらっしゃらないの」 「薄荷水をピストルで眼の中へ弾き込まれちゃ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、お茶を呑みバナナを食べながら、そんな話をしているうちに風呂の支度が出来、均平は
裏梯子をおりて風呂場へ行った。風呂に浸っていると、ちょうど窓から雨にぬれた山の翠....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
ない。 私は新しい着物を着せられ、娘は桃色の扱帯のまま、また手を曳いて、今度は
裏梯子から二階へ上った。その段を昇り切ると、取着に一室、新しく建増したと見えて、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
取り上げています。 「さあ、降りましょう、ああ、いけません、こちらは明るい、この
裏梯子から」 「ああ、先生、わたしは、もう一ぺん自分の座敷へ戻らねばなりません」....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
そこに住んで、仕事を続けた。裏口の階下を借りてる「五郎」も元のままだった。ただ、
裏梯子段の上の二室がこの酒場に殖えて、それは特別の小集会などにだけ使われることと....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
だ、火がつきそうだ」 ちょっとあたりを見廻してから、部屋を出ると廊下へかかり、
裏梯子を下りると裏口から、雪のたまっている往来へ出た。 プーッと風が吹いて来た....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
分へ血道をあげ、狎れつくとは性悪の骨張だよ」 林蔵は内緒の前を離れ、用を達すと
裏梯子から、自分の部屋へ返って来た。 お山へ義理を立てるために、女を寝かしては....
「地上」より 著者:島田清次郎
音楽が響いたのである。お光は縫物を止めて、暗いじめ/\した廊下伝いに、土蔵の前の
裏梯子の下につくばって一心に聴きとれていた。音楽の一つ一つのリズムがお光の心にし....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
できないのが、お駒ちゃんなのだ。で、黙って日本一太郎について、その、ぎしぎしいう
裏梯子《うらばしご》を踏んで木の腐ったようなにおいのする風呂場へおりて行った。
....
「挿話」より 著者:徳田秋声
合せだね」 「でも旦那は躯が弱いから」 道太は掃除の邪魔をしないように、やがて
裏梯子をおりて、また茶の室の方へ出てきた。ちょうどおひろが高脚のお膳を出して、一....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
吹いていると、駒田は飯をすませて廊下へと立つ。 「駒田さん。ちょいと。」と女中が
裏梯子《うらばしご》の方へ引張って行って、「お北|姐《ねえ》さん。丁度二本になり....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
た。 美佐子は夢中になって、 「大変だ――、誰か来て――」と叫んだ。バタバタと
裏梯子を馳け昇る跫音がしたので、吉川は彼女を突き退け、階段を飛ぶように馳け降りて....