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「裏通り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

裏通りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
降りた保吉は海岸の下宿へ帰るため、篠垣《しのがき》ばかり連《つらな》った避暑地の裏通りを通りかかった。狭い往来は靴《くつ》の底にしっとりと砂をしめらせている。靄....
婦系図」より 著者:泉鏡花
御守殿という風があった。 車は病院所在地の横田の方から、この田畝を越して、城の裏通りを走ったが、突かけ若竹座へは行くのでなく、やがて西草深へ挽込んで、楫棒は島....
深夜の市長」より 著者:海野十三
すね。速水氏の所番地は?」 「なアに所番地なんか要るものか。……銀座のM百貨店の裏通りにブレーキという十銭|洋酒立飲店がある。夜といわず昼といわず、そこで虎にな....
蠅男」より 著者:海野十三
まま裏口から、自動車の後を追いかけた。 山中の追跡 幸いにも、池谷控家の裏通りは道が狭かったから、自動車はスピードをあげることができないで、タイヤが溝の....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
スキーの跡をつけて行った。 疑問のスキーは、生垣を越して空地を通り抜け、静かな裏通りへ続いて行った。この辺りはH市の郊外でも新開の住宅地で、植込の多い人家はま....
一坪館」より 著者:海野十三
つけよ」 車は、交番跡から銀座横丁へすべりこんだ。そしてすぐ停った。そこはすぐ裏通りの四つ辻だった。 「おかみさん、そこがお宅のあとですよ」 「まあ、きれいさ....
地球要塞」より 著者:海野十三
が、サイレンを鳴らしつつ、オートバイに乗って、表通りへ練りこんできました。いや、裏通りにも、サイレンが鳴っている。さあ、たいへんだ……」 私は、おどろいた。心....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
厭ってか、窪地でたちまち氾濫れるらしい水場のせいか、一条やや広い畝を隔てた、町の裏通りを――横に通った、正面と、撞木に打着った真中に立っている。 御柱を低く覗....
独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
ィスキーのラッパ呑みを強要されしが、それより博士の提案により、会場をコルコット街裏通りのバー、ホーンに於て一同揃って痛飲会が開催せられることとなり、同夜午後十一....
わがまま」より 著者:伊藤野枝
しょう、皆が待ってるでしょうから」 二人はそこの角から暗い横町にはいって淋しい裏通りを停車場の方に急いで引き返していった。 停車場の石段をよりそって上るとき....
」より 著者:池谷信三郎
いる電線に、無数の感情がこんがらかって軋んで行く気味の悪い響が、この人通りの少い裏通りに轟々と響いていた。彼は耳を掩うように深く外套の襟を立てて、前屈みに蹌踉い....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
って居た。 竹越氏が帰って行った。二人は門を出て竹越氏の行った表通りとは反対の裏通りの方へ足を向けた。 ――今の記者|何処のだい。 ――あら、知らないの、....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
。全く、雄太郎君がこのアパートへ越して来てからもう殆んど半歳になるのだが、時たま裏通りに面した石塀の西の端にある勝手口で女中らしい若い女を見かけた以外には、まだ....
越年」より 著者:岡本かの子
ば何処の酒場でもカフェでもお客を追い出すだろう、その時分に銀座の……そうだ西側の裏通りを二、三日探して歩けば屹度あいつは掴まえられるよ」 山岸の保証するような....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
ともなく仲店に入り、人込みにもまれながら肩を並べて歩いていた。 観音様の横手の裏通りにはサーカスがかかっていた。その広告びらの前に夫人は立ち止って少時見ていた....