裏金[語句情報] » 裏金

「裏金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

裏金の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
だからのう」 と、いった時 「退け退け」 と、いう声がして、供を先に、後に、裏金陣笠の侍が、草の中から胸を出して、近づいてきた。 六 (埓《らち》も....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
が、この中年武士の追蹤《ついしょう》の足を早めさせた。 チャラチャラと、雪駄の裏金が、鳴るのをすら、ききはばからせない。 その足音に、ふりかえったのは甚太郎....
丹下左膳」より 著者:林不忘
道場の裏木戸を、ソッと排して、青い液体を流したような月光の中へ、雪駄《せった》の裏金の音をしのんで立ちいでたのは、大《おお》たぶさにパラリ手拭をかけた丹下左膳で....
近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
鎮撫隊。隊士一同、悉く、小十人格という事になった。 岩田金千代も、鈴木竜作も、裏金の陣笠《じんがさ》をもらって、新らしく入ってきた隊土に、戦争の経験談を話した....
話に聞いた近藤勇」より 著者:三田村鳶魚
なって、甲府城を乗っ取るといって、江戸を出かけた。その時に若年寄の格というので、裏金の陣笠を被って出かけた。生れ故郷をその扮装《いでたち》で、いい心持で通過する....
南国太平記」より 著者:直木三十五
へ、陣笠を、肩を、見せたり、隠したりしながら、二人の人が、登って行った。陣笠は、裏金だから士分であろう。前へ行くその人は、六十近い、白髯《しらひげ》の人で、後方....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
つ大の紋のついた小浜縮緬の紫の羽織をゾベリときかけ、天鵞絨の鼻緒のすがった雪駄の裏金をチャラめかしながら日本じゅうの役者をひとりで背負って立ったような気障なよう....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
くるだろうと、それをまぎらす足どりである。だから、いたって悠々としたもの、雪踏の裏金も鳴らぬ程に。 ここに、お十夜の姿をみるのは、大津以来のことであるが、困れ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
な小隊の鉄桶だった。 これが、遠くは麓の観心寺や佐備、天野から、なお視界の外の裏金剛の抜ケ道にまであるのである。寄手の総軍馬、数十万と号されても、眼ではそうか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、吉野からの落人はまだ一人も、ここへはたどりついていなかった。 それも当然で、裏金剛から葛城の間道すべて遮断されている実状なのだ。――そんな中をも忍ノ大蔵なれ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
快全なども、その帷幕を一つにしていたのである。 彼らとしては内心、自分たちが、裏金剛から千早をたすけていたことが、千早の命脈をささえて来た唯一の源泉力であった....