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補い
「補い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
補いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
のどじょうというものはわしの虫が好くのだった。この身体のしんを使う仕事には始終、
補いのつく食いものを摂らねば業が続かん。そのほかにも、うらぶれて、この裏長屋に住....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、強く僕の心に刻まれた。 しかし、その時はまだその時で、一層奮励の筆をもって、
補いをつけることが出来ると、覚悟した。 すると、また、心の奥から、国府津に送る....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
が一品ずつならべられて、それでもまだ足りないもののために、夕飯にはもう一品ずつの
補いをつけ足している。 もっとも、これはすべて未決の人間にだが、しかし既決の囚....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
ばなりませぬ。薬も何も貴方何の病気だか、誰にも考えが附きませぬので、ただもう体の
補いになりますようなものを食べさしておくばかりでございますが、このごろじゃ段々|....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
三、風間九十郎の登場 翌日は、他の劇団から傭った女優で、欠けたオフェリヤを
補い、沙翁記念劇場はいつも通り蓋を明けた。 が、前夜の惨劇が好奇心を唆ったもの....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
とし、実行するでなければならぬという考えから、余は国民道徳を主張し、学界の欠陥を
補い、大いに倫理を実際的ならしむるに努力したのである。しからばその国民道徳は理想....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ます。 ――これは、翌日、大笹の宿で、主人を呼んで、それから聞いた事をある処は
補いましたし、……後とはいわず、私が見た事も交りました。」…… 「……この女神の....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
るいは口中に毒を含ませて遣る。殊に梅干の肉は拷問のあいだに喉の渇きを助け、呼吸を
補い、非常に有効であると伝えられているので、往々それを口にして白洲へ出るものがあ....
「城」より 著者:カフカフランツ
があって、たっぷり収入があるんです」
「それなら」と、Kはいった。「使者の勤めの
補いがつくわけですね」
「使者の勤めのですって?」と、オルガは驚いてたずねた。「....
「審判」より 著者:カフカフランツ
っとした妨害に対しては容易にほかの場所で――いっさいが結びついているからだが――
補いをつけ、たといそれが、これが実はありそうなことでさえあるのだが、いっそう固く....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
めにあるいは死んだかも知れん。なぜなれば滋養分を得られないで出血ばかりした分には
補いがつきませんから……十月二十九日その家を出立してまた自分一人で荷を背負って東....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ものあるを聞かず。ゆえに、余はこれよりもっぱら力をこのことに用いて、政教の一分を
補い、治道の万一を助けんと欲するなり。 人あり、政教子に問うて曰く、君は哲学を....
「西航日録」より 著者:井上円了
に覇たる資格を有するものにあらず。ゆえに今後の青年は、奮然としてたち、この欠点を
補いて、大いになすところなかるべからず。しかるに今日の学生をみるに、果たしてよく....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
ことがないではないけれど、一度春が訪れ出すと、その素晴らしい変化は今までの退屈を
補い尽してなお余りがある。冬の短い地方ではどんな厳冬でも草もあれば花もある。人の....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
中の現象は、まま、片寄ることがあります。そういうときはどちらか一方の不足の方面が
補いに出て来ます。この過不及のない
補い方は全く実相の理に明るい達識の人に望まれま....