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裸虫
「裸虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裸虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
かりゃ、槍《やり》が降ろうと、火の玉が舞おうと、もうおれが天下だ。――おいそこの
裸虫! 大急ぎ二丁ご用だぜ」 この師走空《しわすぞら》にしり切れじゅばん一枚き....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
れてなるもんけえ。そう! そう! もっと大またに! 大またに! どうせおめえらは
裸虫だ。かまわねえから、へそまで出して走っていきな。酒手もやるよ。たんまりとな。....
「人間腸詰」より 著者:夢野久作
だの、クッションだの毛皮だのが大浪のように重なり合っている間を、甘ったるい恰好の
裸虫連中が上になり下になりウジャウジャとのたくりまわっているんですからトテモ人間....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ござりまする」 「ゆくゆくはなんとか取締りをしたいものじゃ、どこへ行っても、この
裸虫には弱らせられる」 一行は川越しの小屋のところまで来ると、宿役人から先に出....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
タリとあいて、 「お早うございます」 「いや、これは宗舟画伯」 と、二人が新来の
裸虫《はだかむし》を歓迎しました、見ればこれは絵師の宗舟でした。 「両先生お揃い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
気を揉《も》み出すと、ウンと踏みとどまった米友が、歯切れのいい調子で、 「やい、
裸虫、ものになっちゃあいねえぞ」 と嘲笑《あざわら》うのを聞きました。 この場....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ったのは、是非もないことと言わねばならぬ。 竹竿での叩き合いを事面倒なりとする
裸虫の雲助は、竿を投げ捨てて組んずほぐれつの大格闘に移り、その惨憺たる有様、身の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
敷の屋根へ飛び移っていました。 「それ、野郎が桟敷の屋根へ飛んだ」 蛙のような
裸虫《はだかむし》が、桟敷の屋根、桟敷の屋根と言いながら飛びついたけれども、これ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
もこんなのびは出来なかった。仰向いて、しんからのびて、横向いて、しんからのびて、
裸虫のようにうねって、そういうとき、我々の詩集の頁が音をたてて翻るようです。いろ....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
、現在語ばかりを以てする詩の稽古もするが、時としてはそうして出来た作物が、まるで
裸虫である様な気のする事がある。おそらく多くの場合、現実の観察や批評に過ぎなくて....
「唇草」より 著者:岡本かの子
して、千代重の顔にぱっと投げつけながら、 「だめよ。そんなもの見せちゃ。あたしが
裸虫が大嫌いなこと、あんた知ってるじゃありませんか」 千代重は顔を振ってそれを....
「感覚の回生」より 著者:小川未明
自然に刎ね返って、延び上った姿、青い葉の裏に、青い円い体に銀光の斑点の付いている
裸虫の止っているのも啼く虫と見えて、ぎょっとしたこと、其の時の小さな心臓の鼓動、....