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裸足
「裸足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裸足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
くそこらをながめ回していたが、いきなり立ち上がって尻《しり》っぱしょりをしながら
裸足《はだし》のまま庭に飛んで降りた。そしてハーキュリーズが針仕事でもするような....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
した。昼間でも草の中にはもう虫の音《ね》がしていましたが、それでも砂は熱くって、
裸足《はだし》だと時々草の上に駈《か》け上《あが》らなければいられないほどでした....
「闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
。その一歩を敢然と踏み出すためには、われわれは悪魔を呼ばなければならないだろう。
裸足《はだし》で薊《あざみ》を踏んづける! その絶望への情熱がなくてはならないの....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
きりときこえてきた。用人は、炭小屋の戸をあけて、 「ここへ!」といった。上野は、
裸足のまま中へはいると、用人はすぐ戸をしめてしまった。 「大勢か」 「五、六十人....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
と気がついて、ちゃんとお増に命じて拵えさせたのである。僕はズボン下に足袋《たび》
裸足《はだし》麦藁帽《むぎわらぼう》という出で立ち、民子は手指《てさし》を佩《は....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
まいました。 それは恰度三年前の、冷い雨の降る秋の夜の事でした。気の狂った母は
裸足のままで家を飛び出して、とうとう陸橋の下で汽車にひかれて死んでしまったのです....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。しかしその瞬間、法水の眼は頭上の一点に凍りついてしまった。見よ、そこには一本の
裸足と、靴の脱げかかったもう一本――それが、鈍い大振子のように揺れているのだった....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
硝子窓の明り取りが開いていて、背の高い検事には、そこから、静止している二人の女の
裸足が見える。寝台にならんで腰を下しているらしい。ルキーンは二三段跳び上って、 ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
糸のような灯が廊下にこぼれている。年中、高架線の轟音と栄養不足で痛められている、
裸足の子供たちがガヤつく左右の室々。やっと、さぐり当てたクルト・ミュンツァの部屋....
「転機」より 著者:伊藤野枝
くてどこから行くんだい?」 「他に道があるんですよ、きっと。だってここからじゃ、
裸足にならなくちゃ行かれないじゃありませんか。」 「あたりまえさ、下駄でなんか歩....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。 「もう、おいではこれだけであろう」 「ふむ、いかさますみ申したようであるが」
裸足の、二人の式部官が次第書とつき合せてみると、もうお客はこれで終っている。きょ....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
ろは、大体川砂の両岸に溢れた軽い地層である。雨で程よく湿度を帯びた砂に私の草履は
裸足を乗せてしなやかに沈んで行く。「すと」「すと」花にたまった雨の澪の砂に滴る音....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
入れたのだ。つまり、支倉君が少し溝が深いと云ったのは、その時の足跡なので、帰りは
裸足で石の上から左壁近くに跳び、その足跡をすぐ、池溝の堰を開いて消したのだ。そう....
「橋の上」より 著者:犬田卯
へ突き落としてやるから。」 傍から二三のものが口を出す。 「下駄で渡れ!」 「
裸足で渡ったんでは、渡った分だないぞ!」 「さあ、早く!」 さぶちゃんは眼に角....
「審判」より 著者:カフカフランツ
おこうと、なおもしばらく中庭の入口のところに立ち止っていた。近くの箱の上に一人の
裸足の男がすわり、新聞を読んでいた。一台の手押車を二人の子供が揺すっていた。ポン....