製材[語句情報] »
製材
「製材〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
製材の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
出しに着手せられた、現今は知らぬが、私がかつて聞いたところでは、明科《あかしな》
製材所へ出す材料の多くは、梓川や島々川の水源地の森林であったそうで、森林の濫伐は....
「斜陽」より 著者:太宰治
いて行き、私が不安と恐怖で胸をどきどきさせながら、その後について行くと、林の奧に
製材所から来たばかりの板が積んであって、将校はその前まで行って立ちどまり、くるり....
「縮図」より 著者:徳田秋声
口へ出た。 均平はしばらく玄関前で、加世子たちの出て来るのを待ってから、やがて
製材所の傍を通って街道へ登った。この道を奥の方へと荷馬車の通うのにも出逢ったが、....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
屋さんの店先きに腰を掛けている。何か買ってくれるらしい。三十軒も歩いた。やっと、
製材所で見せてみなと云われる。
ねじり鉢巻きの男が三人、汗を拭きながら寄って来....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
いたことのないものには想像することのできない音である。いくらか似た音を求めれば、
製材所の丸鋸で材木を引き割るあの音ぐらいなものであろう。先年|小田原の浜べで大波....
「生爪を剥ぐ」より 著者:葉山嘉樹
ような、見えないほてりが、トタン屋根の上に漂うていた。 そのプロレタリア街の、
製材所の切屑見たいなバラックの一固まりの向うに、運河があった。その運河の汚ない濁....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
がら色の出窓に名も知れざる花の土鉢をならべたる農家あり。丘あり橋あり小学校あり。
製材所・変圧所・そして
製材所。アンテナ・アンテナ・アンテナ。それらを遠景に牛と豚....
「祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
他に何を彼女に話すことがあろう。それよりも、今、私がその事務を取扱っている仕事、
製材のことや建築のことなら、いろいろな話もあるが、そういう話には彼女は興味も関心....
「レンブラントの国」より 著者:野上豊一郎
のもある。そうして、田舎では、運河の付近には大きな風車が幾つも立っていて、製粉・
製材・製紙等に利用されるほかに、低地の水を汲み上げて運河に移す役目をもさせられて....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
「コレ、正宗クンの名刺だよ。天草商事常務取締役とね。天草物産、天草石炭商事、天草
製材、天草ペニシリン、とね。賑やかな名刺だね。アハハ。旅行中だけ通用の名刺だから....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
どが印象された。 とっぷり暮れて越智町に入ったが、どの宿屋でも断られ、一杯元気で
製材所の倉庫にもぐりこんで寝る、犬に嗅ぎ出されて困った、ろくろく睡れなかった、鼠....
「自伝」より 著者:黒島伝治
した田の上に家を建てゝ、そいつを貸したり、荷馬車屋の親方のようなことをやったり、
製材所をこしらえたりやっていた。はじめのうちは金が、──地方の慾ばり屋がどんどん....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
の達人で、ややともすれば遅れがちな私の馬の綱を、時々引いてくれた。 本街道から
製材所の横を切れると、もう既に裾野であるが、富士のそれとは違って、乾き切った砂漠....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
木場の労働者のために多くの争議を指導した。たしか昭和十年ごろと思うが、ある深川の
製材工場が釘で厳重にロック・アウトをしたことがあった。われわれはこれをぶちこわし....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
しておらぬので、すぐには見当がつきかねた。仲人さんらしく威厳を保って通りすぎる。
製材所のおやじがやっぱり紋付き姿で、今日は髪をきちんと分けている。そのあとから二....