裾濃[語句情報] »
裾濃
「裾濃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
裾濃の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ぐるま》が、静かに太郎の行く手を通りすぎる。車の中の人は見えないが、紅《べに》の
裾濃《すそご》に染めた、すずしの下簾《したすだれ》が、町すじの荒涼としているだけ....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
観である。信玄の嫡子、太郎義信は時に二十四歳、武田菱の金具|竜頭の兜を冠り、紫|
裾濃の鎧を着、青毛の駿馬に跨って旗本をたすけて、奮戦したことは有名である。その際....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろうざん》とも申します。御岳神社に納められたる、いま国宝の一つに数えられている紫
裾濃《むらさきすそご》の甲冑《かっちゅう》は、これも在来は日本武尊の御鎧《おんよ....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
本のごとき観がある。このねつたいを衆人環視の中ではばからずに言える源太、緋縅か紫
裾濃かは知らぬが、ともかくも一方の大将として美々しい鎧兜に威儀を正しながら、地位....
「澪標」より 著者:外村繁
く傾いて行くにつれ、早苗の緑は次第にその間隔を失い、山裾の方は緑一色で、つまり緑
裾濃《みどりすそご》の大景観が展けている時もある。そんな季節の時には、空にはかっ....