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褌
「褌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
褌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
たわったなり、枕《まくら》もとの甲野へ声をかけた。
「甲野さん、わしはな、久しく
褌《ふんどし》をしめたことがないから、晒《さら》し木綿《もめん》を六尺買わせて下....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ように、ますます滑稽《こっけい》を重ねて行った。そうしてとうとうしまいには、越中
褌《えっちゅうふんどし》一つの主人が、赤い湯もじ一つの下女と相撲《すもう》をとり....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
にし》の一種である。)魚籃《びく》をぶら下《さ》げて歩いて来た。彼等は二人とも赤
褌《あかふんどし》をしめた、筋骨《きんこつ》の逞《たくま》しい男だった。が、潮《....
「或る女」より 著者:有島武郎
す。博覧会が開けたら、われわれは米国に対してよりもむしろこれらのドイツ人に対して
褌裸《きんこん》一番する必要があります。ランチの時僕はハミルトン氏に例の日本に買....
「星座」より 著者:有島武郎
い争いの発端《ほったん》は判らない。
「中島を見ろ、四十五まであの男は木刀一本と
褌《ふんどし》一筋の足軽風情だったのを、函館にいる時分何に発心したか、島松にやっ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
てやらあ、汝が口説く婦じゃねえから、見たって目の潰れる憂慮はねえ、安心して切立の
褌を拝みゃあがれ。 ええこう、念晴しを澄ました上じゃ、汝、どうするか見ろ。」 ....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
みよりも体が弱かったためかもしれない。また平生見かける相撲が――髪を藁束ねにした
褌かつぎが相撲膏を貼っていたためかもしれない。 一九 宇治紫山 僕の....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
見える。丸太ぐるみ、どか落しで遁げた、たった今。……いや、遁げたの候の。……あか
褌にも恥じよかし。 「大かい魚ア石地蔵様に化けてはいねえか。」 と、石投魚はそ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
でも、姉さん。――話のついでですが、裸の中の大男の尻の黄色なのが主人で、汚れた畚
褌をしていたのです、
褌が畚じゃ、姉ごとは行きません。それにした処で、姉さんとでも....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ツ星も見えまする。大巌の崖が薄黒く、目の前へ蔽被さって、物凄うもなりましたので、
褌を緊め直すやら、膝小僧を合わせるやら、お船頭が、ほういほうい、と鳥のような懸声....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
うな、それですよ。……祭った怪しい、御本体は。―― この私だから度胸を据えて、
褌が紅でないばかり、おかめが背負ったように、のめっていますと、(姉さん一緒におい....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
って、遣手という三途河の婆さんが、蒼黒い、痩せた脚を突出してましてね。」 ……
褌というのを……控えたらしい。 「舐めちゃ取り、舐めちゃ取り、蚤だか、虱だか捻っ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
始末は、半助が赤鬼の形相のままで、蝙蝠を吹かしながら、射的店へ話をつけた。此奴は
褌にするため、野良猫の三毛を退治て、二月越内証で、もの置で皮を乾したそうである。....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
くりと刺している。 年倍なる兀頭は、紐のついた大な蝦蟇口を突込んだ、布袋腹に、
褌のあからさまな前はだけで、土地で売る雪を切った氷を、手拭にくるんで南瓜かぶりに....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
もなし、そこで通名をこけ勘という夜なし。前の晩に店立てをくったんで、寝処がない。
褌の掛がえを一条煮染めたような手拭、こいつで顱巻をさしたまま畳み込んだ看板、兀げ....