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褓
「褓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
褓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
座敷は変に油ぎってよごれていた。白痴の子が赤ん坊同様なので、東の縁に干してある襁
褓《むつき》から立つ塩臭いにおいや、畳の上に踏みにじられたままこびりついている飯....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
てないね」 「そりゃそうさ。母親が早く亡くなっちゃったから、あかんぼのうちから襁
褓《おむつ》を自分で洗濯して、自分で当てがった」 老妓は「まさか」と笑ったが、....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
りとした小春日和だったが、翌日からしとしと雨が降り続いた。四畳半の部屋一杯にお襁
褓が万国旗のように吊された。 お君は暇を盗んでは、豹一のところへしげしげとやっ....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
と、書斎の机の上が忽ちザラ／＼する。眺望は無い方じゃ無いが、次第にブリキ屋根や襁
褓の干したのを余計眺めるようになった。土地の繁昌は結構だが、自働車の音は我々を駆....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
分も両親を隣人として愛したい。しかしながら両親と常に同じ屋根の下に住みながら、襁
褓の間より親子として暮らしてきた者が隣人の関係において相対することは至難である。....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
落の白髑髏と化し果てたる趣あり。 絶壁の躑躅と見たは、崩れた壁に、ずたずたの襁
褓のみ、猿曵が猿に着せるのであろう。 生命の搦む桟橋から、危く傾いた二階の廊下....
「露肆」より 著者:泉鏡花
、油費えでさ。」 と一処に団まるから、どの店も敷物の色ばかりで、枯野に乾した襁
褓の光景、七星の天暗くして、幹枝盤上に霜深し。 まだ突立ったままで、誰も人の立....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
業会社の重役をしており、私の母は、上品なきれい好きの江戸っ子であったから、私の襁
褓は常に清潔でさらさらしていたらしい。それに、外出好きの母であったから、私に一人....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
乳は飲めんさかいナ。さア、お腹は空いてくるわ、なんぼ泣いてもほっとかれるわ。お襁
褓もかえてくれんわ。踏んだり蹴ったりや。蹴ったくそわるいさかい、オギアオギアせえ....
「雨」より 著者:織田作之助
れた小春日和だったが、翌日からしとしとと雨が降り続いた。六畳の部屋いっぱいにお襁
褓を万国旗のように吊るした。 お君はしげしげと豹一のところへやってきた。火鉢の....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
｜情なく振り捨てた、先妻の衣川暁子も、その劇団と共に迎えてくれたのだし、当時は襁
褓の中にいた一人娘も、今日此の頃では久米幡江と名乗り、鏘々たる新劇界の花形となっ....
「愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
ほんとうの親達の心はどんなだろうと思うと、じっとしていられなかった。 妻はお襁
褓をこしらえたり、それを取り替えたり洗ったり、それに世帯の苦労が加わりながらも、....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
なの。
それを蔭言の好な保姆さん達が
智慧のない空頼に、
綺麗な、軟かい毛織の襁
褓にくるんで、
結構な上著を巻き附けていました。
ところが、その横著赤さんが、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ブだ。や、砂浜だな。 木柵、木柵、木柵、 海老茶だ、あ、すかんぽだ、あ、お襁
褓だ。あ、お負っている。 あ、草家、草家、板壁。日の丸。 向日葵、向日葵、黄....
「雨」より 著者:織田作之助
りと晴れた小春日和だったが、翌日からしと／＼と雨が降り続いた。六畳の部屋一杯お襁
褓が万国旗の様に乾された。お君はしげ／″＼と豹一の所にやって来た。火鉢の上でお襁....