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褻
「褻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
褻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
。――「出て行け! この悪党めが! 貴様も莫迦《ばか》な、嫉妬《しっと》深い、猥
褻《わいせつ》な、ずうずうしい、うぬぼれきった、残酷な、虫のいい動物なんだろう。....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
顔も映っている。のみならずそれ等の向うには家《いえ》だの、湖だの、十字架だの、猥
褻《わいせつ》な形をした手だの、橄欖《かんらん》の枝だの、老人だの、――いろいろ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
口かい。」 「柏家だけではね。」と莞爾する。 「遠慮なく出懸けるが可い、しかし猥
褻だな。」 「あら、なぜ?」 「十一時過ぎてからの座敷じゃないか。」 「御免なさ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たり抓ったりするのではありません。ちょっとお話にも出来ないような、むごたらしい猥
褻な刑罰を加えて苦しめるのですから、死骸のからだを一応あらためたくらいでは判りま....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
ついた下手な字で、ビラが貼らさっていた。下の余白には、共同便所の中にあるような猥
褻な落書がされていた。 飯が終ると、寝るまでの一寸の間、ストーヴを囲んだ。――....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
鞦爰に外れてモウともギュウとも云うべき言葉なく、何と珠運に云い訳せん、さりとて猥
褻なる行はお辰に限りて無りし者をと蜘手に思い屈する時、先程の男|来りて再渡す包物....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
の売声というのは、初めに「十軒店の治郎公」とまず名乗りを上げて、次にそれは/\猥
褻な歌を、何ともいえぬ好い喉で歌うのですが、歌は猥
褻な露骨なもので、例を出すこと....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
こそ今年こそと思いつつこの季節を逃してしまうのである。 ようやくにして多少の猥
褻の気を含める桜の花も散りはて、柿の若葉が出揃い、おたまじゃくしが蛙となって鳴き....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
るのであります。 したがって裸体、ことに裸女を描く場合、あるいは起こりがちな猥
褻感もある程度までは避け難いところのものであります。しかしそれは伴うところの事件....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
れれば好いけれど、手前にはそれも出来まい」と憎げに百姓はいった。馬鹿は卑しい、卑
褻な詞で返事をした。 レリヤは、「此処は厭な処だから、もう帰りましょうね」と犬....
「死者の書」より 著者:折口信夫
気がして来る。 郎女は、徐かに両袖を、胸のあたりに重ねて見た。家に居た時よりは、
褻れ、皺立っているが、小鳥の羽には、なって居なかった。手をあげて唇に触れて見ると....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
きへ石を附けて、張子の虎の首の動くようなのや、おかめが松茸を背負っているという猥
褻なのがありましたっけ。こんな子供の玩具にも、時節の変遷が映っているのですからな....
「風博士」より 著者:坂口安吾
である。而して諸君は気絶以外の何物にも遭遇することは不可能である。即ち諸君は、猥
褻名状すべからざる無毛赤色の突起体に深く心魄を打たるるであろう。異様なる臭気は諸....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
来るのであるという。
その巨細な事については風俗を害する恐れもあり、また余り猥
褻にして大方の人に知らすことの出来ぬ事も沢山あります。とにかく仏法の好名題をいち....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
なのだ。
まさか己の血筋が怪しいとは云うまい。
それ、己の紋所はこれだ。
(猥
褻なる身振をなす。)
魔女(止所なく笑ふ。)
へ。へ。お前様のお極だ。....