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「襖障子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

襖障子の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
空へ眼をやってしまった。そのほかは、勿論、唖《おし》のように口をつぐんで、じっと襖障子《ふすましょうじ》を見つめている。顔には、何の感情も浮んでいない。 所が....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
の片づけ、為すべき仕事は無際限にあった。 人間に対する用意は、まず畳を上げて、襖障子諸財一切の始末を、先年大水の標準によって、処理し終った。並の席より尺余床を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は、大きい雷獣が駈けまわっていたそうだ」 落雷の時には雷獣が一緒に落ちて来て、襖障子や柱などを掻き破ってゆくということは、その時代の人々に信じられていた。その....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
と三人打寄り、額を集め鼎足で談を致しました時に、人を遠ざけ、立聞きを致さんように襖障子を開広げて、向うから来る人の見えるようにして、飴屋の亭主を呼出しました。 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ち受けていてくれて、やがて三人は二|部屋続いた広間に通された。旧暦六月のことで、襖障子なぞも取りはずしてあった。正面に奉行、そのそばに道中|下方掛りの役人らが控....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
煙と立のぼって、中空の月も隠れましょう。二人の情の火が重り、白き炎の花となって、襖障子も燃えましょう。日、月でもなし、星でもなし、灯でもない明に、やがて顔を合わ....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
、部屋部屋から、二階からも階下からも、足音、悲鳴、呶声、罵しり声、物を投げる音、襖障子を開閉する音が、凄まじく聞こえて来た。 ――五人の湯治客が囲炉裡|側で、....
魔像」より 著者:林不忘
な血戦に家族は近くの相識《しりあい》の家に避難して、いつの間にか、気のきいた者が襖障子を取り払い、縁に近い庭に仲間がかがり火を焚《た》いて、屋内にも燭台を立てな....
小説 円朝」より 著者:正岡容
が。やたらにあとからあとからひっきりなしに詰めかけてきてはたちまちどこの寄席でも襖障子を取り払ってしまい、まるで正月興行のような大入り繁昌を呈することとはなって....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
教師をしている佐々木が来、北海道石炭鉱業会社の茂木が来て、五人の話声は忽ち座敷の襖障子をひびき震わせるばかりになった。茂木とも佐々木とも私には十数年ぶり、卒業以....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
大刀を、颯然と横に払ってきたので、彼はすばやく後ろへ身を開いた。その弾みに塗枠の襖障子一、二枚を煽って菊の間の中へドッと仆れる。 と見れば、広間は暗澹たる暗闇....