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襟度
「襟度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
襟度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜別」より 著者:太宰治
だ、自分のお国の事件が演ぜられているのに平気な顔して見物している、これが大都会の
襟度というものかも知れないなどと、山奥の田舎から出て来たばかりの赤毛布は、妙なと....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
い」こと、民間性が重んじられるべきこと、文化の相互的理解を深める機会として大国の
襟度の示さるべきこと、又、年を同じくして日本文化連盟主催の万国文化大会も開催され....
「生産文学の問題」より 著者:宮本百合子
一箇の芸術家がこの人生にいかに面するかの問題は作者火野葦平氏がその効果と、優者の
襟度としてのそのあたたかさを、自身に向ってどう見ているかというところにこそかかっ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
文に対する返事を促して、帰国の途に就いた。 処が日本の体協は突然今度は「大国の
襟度」を示して、第十回極東大会参加に決し、その旨フィリッピンに通告し、満州国体協....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
寛大だ。が、そのかわり忘れてならない物品を列挙すれば、第一に決死の覚悟と大国民の
襟度。つぎに、優に十日間は支えるに足る食糧。すなわち、ありとあらゆる缶詰、野菜、....
「細木香以」より 著者:森鴎外
は「大尽」である。寒生のわたくしがその境界を窺い知ることを得ぬのは、乞丐が帝王の
襟度を忖度することを得ぬと同じである。是においてや僭越の誚が生ずる。 人生の評....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
もない。ひたすら自分が訓戒あるいは忠告を理解するの力なく、これを受け容《い》れる
襟度《きんど》のなかったためである。くどくどしく細かいことをいうようだが、具体的....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
斎に花を持たして奇麗に負けてやったろう。 が、馬琴には奇麗サッパリと譲ってやる
襟度が欠けていた。奉公人にさえ勘弁出来ないで、些細な不行届にすら請人を呼び付けて....
「苦楽」より 著者:上村松園
いというようにも聞きます。で、私は、その苦しみを楽しみうる作家こそは、真の作家の
襟度であるということをここに申してみたいつもりなのです。....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
めさせるための修養書を買って与えたという沼南の大雅量は普通人には真似ても出来ない
襟度だと心から嘆服した。 「全く君子だ。古聖賢に恥じない徳人だ、」とそれまで沼南....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
理由にならない、かついやしくも前途に平生口にする大抱負を有するなら努めて寛闊なる
襟度を養わねばならない、例えば西園寺侯の招宴を辞する如きは時の宰相たり侯爵たるが....
「「プラーゲ旋風」の話」より 著者:山下博章
ヲ体セサル吏僚カ国法ヲ無視シ国際条約ヲ蹂躙シ徒ラニ外国著作権ヲ侵害シテ第一流国ノ
襟度ヲ汚辱スルカ如キハ日本国ノ名誉ノ為メ遺憾ニ堪ヘス と記載されていた。 此の....
「作家の生活」より 著者:横光利一
としての作家と、作家としての作家と、区別はないようであるけれども、駄作を承認する
襟度に一層の自信を持つようになったのは、親としての作家が混合して来た結果である場....
「三国志」より 著者:吉川英治
される。公卿百官はおるも、心は曹操の一|顰一|笑のみ怖れて、また、宮門の直臣たる
襟度を持しておる者もない。――朕においてすら、身は殿上にあるも、針の氈に坐してい....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
もって中国の風雲を西へも東へもうごかして見せる自信はある者だと、口にはいわないが
襟度にそれを示していた。 「やあ、そうですか。それ程まで、前から、この田舎者をご....