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襟白粉
「襟白粉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
襟白粉の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
足は内わで、襟を厭味でない抜き衣紋にしている。 尤もこのぬき衣紋ということは、
襟白粉をつけるからの起りで、京坂に始まって後、江戸にも及んだものだが、態とらしく....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
のである。 次第は前後した。 これより前、姿見に向った裸の児が、濃い化粧で、
襟白粉を襟長く、くッきりと粧うと、カタンと言わして、刷毛と一所に、白粉を行燈の抽....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
に蚊帳の色、残燈の灯に青く染まって、枕に乱れた鬢の毛も、寝汗にしとど濡れたれば、
襟白粉も水の薫、身はただ、今しも藻屑の中を浮び出でたかの思がする。 まだ身体が....
「風俗時評」より 著者:豊島与志雄
には、真白に白粉をぬりたてている。前夜の白粉をそこだけ洗い残しているのであろう。
襟白粉ではなくて、全く頸白粉の語がふさわしい。 頸白粉の彼女等には、生活の放逸....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
おや、休さん」
「富士春か」
「寄らんせんか」
富士春は、鬢《びん》を上げて、
襟白粉だけであった。小太郎は、ちらっと見たまま、先へ歩いて行った。益満は、小太郎....
「市川九女八」より 著者:長谷川時雨
その娘《こ》に、ばかな目に逢わないように、言いきかせておくれよ。」 九女八は、
襟白粉《えりおしろい》の刷毛《はけ》を、手伝いに来てくれた、鏡のなかにうつる静枝....