襟髪[語句情報] »
襟髪
「襟髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
襟髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
て置くものか」と、彼はいきまいた。 まったく一年まえの彼であったら、憎い治六の
襟髪を掴《つか》んで、大道《だいどう》へ引き摺り出して踏み殺すか。又は身を放さな....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
《すき》をみて、彼は飛び起きて逃げようとするのを、実雅はすぐに追い掛けて再びその
襟髪を掴んだ。 嫉妬と憤怒《ふんぬ》にのぼせているところへ、小石の痛い眼つぶし....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
藉、もう堪忍がならぬぞよ。素直に手をさげて詫びて帰ればよし、さもなくば、おのれの
襟髪を引っつかんで、狗《いぬ》ころのように門端《かどばた》へ投げ出すぞ」 彼も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
じゃあねえ。まあ、素直におれの云うことを……」 その言葉が終らないうちに、彼の
襟髪は何者にか掴まれていた。はっと驚いて見かえる間もなく、彼は冷たい土の上に手ひ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
されたのと、相手が小身者《しょうしんもの》の子供であるという軽侮とで、その子供の
襟髪を引っ掴んでいきなりぽかりぽかりなぐりつけた。これは無論に又蔵の仕損じであっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
塀のきわに身をよせてじっと窺っているらしかったが、忽ちひらりと飛びかかって仙吉の
襟髪をつかんだ。覚悟はしていながらも余り器用に投げられたので、仙吉は意気地なくそ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あるが、その時、その生垣の杉のあいだから一つの手があらわれて、暗いなかで吉五郎の
襟髪を掴んだかと思うと、力任せに強く引いた。不意に掴まれたのと、その引く力が可な....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の場へ踏み込んで、久次郎の不埒をきびしく叱って、今後決して、参ることは相成らぬと
襟髪をつかんで表へ突き出してしまった。久次郎どのは何と云っているか知らないが、事....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
敷へお前を連れて行って、主人の眼の前で何もかも云わしてみせる。さあ一緒に来いと、
襟髪を取らぬばかりにして妹を引立てようとした。 兄の権幕があまり激しいので、お....
「火薬船」より 著者:海野十三
無しだ」 「なにを、ぐずぐずいうか」 船長ノルマンは猿臂をのばして、水夫竹見の
襟髪をぐっとつかんだ。怪力だ。竹見はそのままひっさげられた。足をばたばたしたが、....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
らったようです。が、忽ち勇気をとり直すと、片手にナイフを握りながら、片手に妙子の
襟髪を掴んで、ずるずる手もとへ引き寄せました。 「この阿魔め。まだ剛情を張る気だ....
「河童小僧」より 著者:岡本綺堂
生から武芸自慢の男、この化物｜奴と、矢庭に右手に持ったる提灯を投げ捨てて、小僧の
襟髪掴んで曳とばかりに投出すと、傍のドンドンの中へ真逆さまに転げ墜ちて、ザンブと....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
二度目の返事が切れないうちに、お菊はもう板縁の上に捻じ伏せられて、播磨の手はその
襟髪を強く掴んでいた。 「おのれ、それ程までにして我が心を試そうとは、あまりとい....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
る。それを見すまして中二は跳り出づ。） 中二 この泥坊……。 （中二は第一の男の
襟髪をつかんで引き倒せば、第二の男は袋をかついで逃げようとするを、中二は探りなが....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
を掴んだが、降積む雪に靴を滑らせて、二人は折重って倒れた。 忠一は駈け寄って其
襟髪を取ろうとしたが、此の場合、身体の小さいと云うことが重太郎に取っては非常の利....