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西の対
「西の対〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
西の対の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「曠野」より 著者:堀辰雄
いた。古池のまわりには、一めんに山吹が咲きみだれてい、そのずっと向うの半ば傾いた
西の対の上にちょうど夕月のかかっているのが、男にははじめてそれと認められた。その....
「源氏物語」より 著者:紫式部
「どうしたの、こんなに今日は暑いのに早く格子《こうし》をおろしたの」 「お昼から
西の対《たい》――寝殿《しんでん》の左右にある対の屋の一つ――のお嬢様が来ていら....
「源氏物語」より 著者:紫式部
住んでいた人なのだから道理であると思っておかしかった。 門内へ車を入れさせて、
西の対《たい》に仕度《したく》をさせている間、高欄に車の柄を引っかけて源氏らは庭....
「源氏物語」より 著者:紫式部
してから車に乗った。 二条の院は近かったから、まだ明るくならないうちに着いて、
西の対に車を寄せて降りた。源氏は姫君を軽そうに抱いて降ろした。 「夢のような気で....
「源氏物語」より 著者:紫式部
源氏を愛していた。家の者にも何人《なにびと》であるか知らすまいとして、今も初めの
西の対《たい》を住居《すまい》にさせて、そこに華麗な設備をば加え、自身も始終こち....
「源氏物語」より 著者:紫式部
大臣家へ行かずに二条の院にいた。そして町へ見物に出て見る気になっていたのである。
西の対へ行って、惟光《これみつ》に車の用意を命じた。 「女連も見物に出ますか」 ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
くかたをながめもやらんこの秋は逢坂山を霧な隔てそ こんな歌を口ずさんでいた。
西の対へも行かずに終日物思いをして源氏は暮らした。旅人になった御息所はまして堪え....
「源氏物語」より 著者:紫式部
、まして去ってしまったあとの家はどんなに荒涼たるものになるだろうと源氏は思った。
西の対《たい》へ行くと、格子《こうし》を宵のままおろさせないで、物思いをする夫人....
「源氏物語」より 著者:紫式部
美々しく落成したので、花散里《はなちるさと》といわれていた夫人を源氏は移らせた。
西の対から渡殿《わたどの》へかけてをその居所に取って、事務の扱い所、家司《けいし....
「源氏物語」より 著者:紫式部
。私はこの子の運命に予期していることがあるのだから、その暁を思うともったいない。
西の対《たい》の人が姫君のことを知っていて、非常に見たがっているのです。しばらく....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ようなことは絶対にできません。東の院でだけ私はあの方の子らしくしていただけます。
西の対《たい》のお母様だけは優しくしてくださいます。もう一人私にほんとうのお母様....
「源氏物語」より 著者:紫式部
いと源氏は思って、少しじみな所ではあるが東北の花散里《はなちるさと》の住居の中の
西の対は図書室になっているのを、書物をほかへ移してそこへ住ませようという考えにな....
「錦木」より 著者:宮本百合子
かった。 いろいろのはなしの末に一番まだ年若なつみのない女が、 「この頃ネー、
西の対の紫の君さまのところへ」 と云い出したのを一人の女がおさえつけて、 「ほん....
「或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
時 寛弘年間の或る秋 処 京の片ほとり 人 紫式部 三十一二歳 老侍女 妙な美男 西向く聖 (舞台正面、質素な
西の対屋の真向き、秋草の生い茂れる庭に臨んでいる。その庭を囲んで矩形に築地垣が廻....
「文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
して日本は東西によって気候・風土・経済から人情風俗まで際だって区画される。この東
西の対立は一朝一夕のことではない。蝦夷征伐、武士道の発達、鎌倉と京都の対抗、これ....