西天[語句情報] » 西天

「西天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

西天の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仮装人物」より 著者:徳田秋声
偵社と約束すると、ガレイジへも電話をかけた。 やがて絵羽の羽織を引っかけ、仏蘭西天鵞絨のコオトに黒の狐の衿巻を肩に垂れた小夜子とハイヤアのクションに納まったが....
十二支考」より 著者:南方熊楠
拉寺中一|降魔杵《ごうましょ》を置く、番民呼んで多爾済《ドルジ》と為《な》す、大西天より飛来し、その寺|堪布《カンボ》これを珍《め》づ、番人必ず歳に一朝観す〉と....
十二支考」より 著者:南方熊楠
すとある。マレー半島のセマン人信ずるは、創世神タボンの大敵カクー、黒身炭のごとく西天に住む。ここを以て東は明るく西は闇《くら》し、天に三段ありてカクーの天最高所....
十二支考」より 著者:南方熊楠
誰も命惜しくば靴を倒《さか》しまに履きて落ちたまえと勧め、判官その所由を問うに、西天竺しらない国の王、はらない国王に攻められ逃げる時、靴を逆さまに穿《は》いて命....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
「可厭だ、今度はお前さんたちかい。」 十 ――水のすぐれ覚ゆるは、西天竺の白鷺池、 じんじょうきょゆうにすみわたる、 昆明池の水の色、 行末久しく....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《ぼんがく》の奥旨《あうし》を得たり。時人|曰《いは》く、安然は東岳の唇舌を以て西天の音韻に通ず、才|宏劉《くわうりう》なるかなと。都率超曰く、然《しか》り、師....
台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
も四十八ある。それらの峯は大体、岩層と風化との関係で、西方が削ぎ取られて、謂わば西天に向って屹立している。然しそれらの峯を載せた中央山脈は、東海岸寄りに連ってい....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
よく用いらるる郡望の旧例に拠り、郡名百家姓に書いてある注解通りにすればいい。「隴西天水の人也」といえば済む。しかし惜しいかな、その姓がはなはだ信用が出来ないので....
親鸞」より 著者:三木清
然である。ここに人と法とは二つでない。 ○七祖出現の使命は要するに 「インド西天の論家、中夏、日域の高僧、大聖興世の正意をあらはし、如来の本誓、機に応ぜるこ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
れむべし房総佳山水 渾て魔雲障霧の中に落つ 伏姫 念珠|一串水晶明らか西天を拝し罷んで何ぞ限らんの情 只道下|佳人命|偏に薄しと 寧ろ知らん|毒婦恨平....
赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
王九十五代ニ当ツテ、天下一|度乱レテ而テ主安カラズ。此時|東魚来テ四海ヲ呑ム。日西天ニ没スルコト三百七十余箇日。西鳥来テ東魚ヲ食ウ。其後海内一ニ帰スルコト三年。....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、驟雨一過、南風冷を送り、秋気船窓に入るの心地あり。また、晩に船欄に倚れば新月の西天に印するを見る、また大いに幽趣あり。 濠陽風物動。 (豪州の南の風物は吟詠の....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
に一刻千金と当てにしたりし日も暮れぬ。 薄暗き小ランプを友として、夕飯を喫す。西天を彩れる夕映の名残も、全く消え果て、星の光は有りとは言へ、水面は、空闊にして....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ニ当ツテ、天下一トタビ乱レテ、主モ安カラズ。コノ時、東魚来ツテ、四海ヲ呑ミ、日ノ西天ニ没スルコト三百七十余日、西鳥来ツテ、東魚ヲ食ラフ。――ソノ後、海内一ニ帰ス....