西洋間[語句情報] »
西洋間
「西洋間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
西洋間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
油ランプの光に照された、陰気な部屋の中を見廻しました。
ミスラ君の部屋は質素な
西洋間で、まん中にテエブルが一つ、壁側《かべぎわ》に手ごろな書棚が一つ、それから....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
…一しょに音楽会へ出かけることもある。銀座通りを散歩することもある。あるいはまた
西洋間《せいようま》の電燈の下に無言《むごん》の微笑ばかり交《か》わすこともある....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
る。俺は文化生活の必要を楯《たて》に、たった一つの日本間《にほんま》をもとうとう
西洋間《せいようま》にしてしまった。こうすれば常子の目の前でも靴を脱《ぬ》がずに....
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
ない。また、あの頃に、かくれんぼ、あなたは鬼、みんな隠れてしまうのを待つ間ひとり
西洋間のソファに埋まり、つまらなそうに雑誌読んでいたゆえ、同じように、かくれんぼ....
「兄たち」より 著者:太宰治
という題で、長兄が、それを私に口述筆記させました。いまでも覚えて居ります。二階の
西洋間で、長兄は、両手をうしろに組んで天井を見つめながら、ゆっくり歩きまわり、
....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
麹町《こうじまち》ですか麻布《あざぶ》ですか、お庭へぶらんこをおこしらえ遊ばせ、
西洋間は一つでたくさんですなどと勝手な計画を独りで並《なら》べていた。その時は家....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
りとした椽《えん》を通り越して、奇麗な木理《もくめ》を一面に研《と》ぎ出してある
西洋間の戸を半分明けると、立て切った中は暗い。円鈕《ノッブ》を前に押しながら、開....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
た。三人は癪《しゃく》に障《さわ》るほど勇んで外へ飛び出した。余は仕方がないから
西洋間と日本間の唯一の主人として、この一日を物静かに休養すべく準備した。まず何よ....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
、への三号を調べてみると、妙に細い通りの中ほどにある。古い家だ。 玄関の代りに
西洋間が一つ突き出していて、それと鉤《かぎ》の手に座敷がある。座敷のうしろが茶の....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
階段である。われわれはそれを上つて二階の廊下に出た。
玄関からここまですつかり
西洋間である。
さすがに大実業家の家だけあつて実に堂々たるものだ、階段の壁の所....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
自分の部屋へ入って蝋燭《ろうそく》をつけました。この部屋は、甲府の城内にいた時の
西洋間や、滝の川の火薬製造所にいた時の研究室とは違って、尋常の日本間、八畳と六畳....
「復活祭」より 著者:久生十蘭
、入口のガラス戸に手垢でよごれたレースのカーテンがかかり、入るといきなり日本式の
西洋間になって、醤油の汚点だらけのクロースをかけたテーブルがいくつか置いてある。....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
に住まわせるかと訪問者にそぞろ感慨を催させたら、なんの当の本人は折がら、正午の、
西洋間の大テーブルの上へ、キチンと夫婦して上がって、座って昼飯を食べていたという....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
走になることにしました。娘たちの後からついていった部屋は廊下を鉤の手に回った奥の
西洋間らしい階段の下の、スグ取っ付きの部屋でした。明け放した廊下からは、例の眼も....
「それから」より 著者:夏目漱石
ぞ》き込んで、敷居の上に立ちながら、二言三言|愛嬌《あいきょう》を云った後、すぐ
西洋間の方へ来て、戸を開けると、嫂がピヤノの前に腰を掛けて両手を動かしていた。そ....