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西陣
「西陣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
西陣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
見える。 或る呉服屋が一流どころの画家を集めて裾模様の展覧会を遣ると、一方では
西陣の腕ッコキ連を呼び出して友禅染の品評会をやるといった調子である。出来る限り一....
「島原心中」より 著者:菊池寛
元とか、心中に至るまでの事情を、一通りきいたのです。男の方は、福島県の者とかで、
西陣の職工だが、徴兵にとられていて、十二月には入営することになっていたということ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
砲持参で、一人ずつ腰弁当でこの街道を通った。 仙洞御所の出火のうわさ、その火は
西陣までの町通りを焼き尽くして天明年度の大火よりも大変だといううわさが、京都方面....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に、高尾槇尾栂尾から嵐山の秋色を愛ずべく、一同車を連ねて上京の姉の家を出た。堀川
西陣をぬけて、坦々たる白土の道を西へ走る。丹波から吹いて来る風が寒い。行手には唐....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
京都にでも行って見んか。そらアおもしろいぞ。祇園清水知恩院、金閣寺拝見がいやなら
西陣へ行って、帯か三|枚襲でも見立てるさ。どうだ、あいた口に牡丹餅よりうまい話だ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
うや否や。 (新可笑記、巻五の四、腹からの女追剥) 赤い太鼓 むかし都の
西陣に、織物職人の家多く、軒をならべておのおの織物の腕を競い家業にはげんでいる中....
「海底都市」より 著者:海野十三
数は老人だということであった。 彼らは服装をととのえた。裸身《らしん》の上へ、
西陣織《にしじんおり》のようなもので作った、衣服をつけた。そして頭部を頭巾《ずき....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ょうねえ」 「それは沢山おりますとも。それに扮装が贅沢ですよ。衣裳はお召し。帯は
西陣。長襦袢は京の友禅縮緬。ご婦人方はお化粧をします。白粉に紅に匂いのある油……....
「雪の宿り」より 著者:神西清
したが、ともあれ黄昏に至って両軍相引きに引く中を、山名方は打首を車八|輛に積んで
西陣へ引上げたとも申し、白雲の門より東今出川までの堀を埋むる屍幾千と数知れなかっ....
「長崎の電話」より 著者:田中貢太郎
京都|
西陣の某と云う商店の主人は、遅い昼飯を喫って店の帳場に坐っていると電話のベルが鳴....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
があるから、私がクダクダしく書くには及ばないでしょう。 応仁の乱に、山名宗全は
西陣南帝を擁して北朝の天子をいただく細川方と戦ったが、
西陣南帝は乱後に奥州へ落ち....
「すっぽん」より 著者:佐藤垢石
較にならない。幻滅を感ずるとは、ほんとうにこのことをいうのであろう。幸い、私には
西陣に親戚があったので、関西に旅するたびにそこを訪れ、大市から取っては義兄と二人....
「蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
という。ちょうどこれは桐生や足利産の丸帯やお召を、一度京都へ運んで行って、これを
西陣織として商標を貼るのと同じであろう。 近年、九州五島あたりは、鰡の通過が少....
「迷彩」より 著者:上村松園
によっていろいろ好き嫌いがあるのでしょうから、一概には言えないと思いますが、私は
西陣のものを用いることにきめています。東の絹は質がしゃんとしていますし、それに色....
「四つの都」より 著者:織田作之助
近の通。 庄平「で、いよ/\今日神戸の工場へ行くという訳だな」 船山「はッ、もう
西陣で織物をやってる時代やないと思いまして……」 庄平「駅まで送って行こう」 船....