» 要慎

「要慎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

要慎の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
めに帰朝すべく余儀なくされた。 二葉亭は学生時代から呼吸器が弱かった。自分でも要慎して痰は必ず鼻紙へ取って決してやたらと棄てなかった。殊に露西亜へ出発する前一....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
んだなあ。今日は瘤ばかりこしらえているぞ」 と、こっちから声をかけると、魚戸は要慎ぶかい腰付で卓子につかまりながら、 「そういうが、君は男で倖さ」 という。....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
いんですもの」 そういったアンの顔は、仏が始めて見る真剣な顔付であった。空襲を要慎してということだったけれど、それにしても、それほど深刻な顔をしなくてもいいだ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
怪しい!」 「そうです。誰が聞いても怪しい奴《やつ》ですが、そのとき博士は大いに要慎《ようじん》して、自分の持っている鞄を奪《うば》われまいとして、一生懸命|抱....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
にも同じことがあった。縞馬みたいな刑事が煙草の火を借りに来て、この辺は物騒だから要慎するように注意して去った。 「どうも変なことがあればあるものだ。毎晩同じよう....
地獄の使者」より 著者:海野十三
ことでございます。旦那様は戸締を厳重においいつけなさる方で、後にも先にもそんな不要慎な戸の閉め方をなさる方ではありませんでな、わしはたいへんふしぎに思いました」....
のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
っても、奥へ通れない。さあ遠慮なく、こうして突きとばすですな。しかし懐中物だけは要慎したがいいですぞ。突きとばされるのを予め待っていて、突きとばされると、とたん....
大島が出来る話」より 著者:菊池寛
になって居る子守が、まだ見附かって居なかった。他人の家の離座敷を借りて居る為に、要慎《ようじん》はいいようなものの、赤坊を抱《かか》えて一晩|独《ひと》りで留守....
五重塔」より 著者:幸田露伴
まいし痛みも去るまじ、じっとしていよ身体を使うな、仔細はなけれど治癒るまでは万般要慎第一と云われたお医者様の言葉さえあるに、無理|圧しして感応寺に行かるる心か、....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
きました。まるで犬は獲物を嗅ぎつけた時のように、蹲まりながら足を留めて、いかにも要慎深く、忍んで進みました。ツルゲネーフは、不思議に思って、急いで近寄ってみると....
白い道」より 著者:徳永直
と、 「ね、青井さん」 三吉があわてて電灯の灯の方へ顔をむけると、気のいい人の要慎なさで、白粉の匂いと一緒に顔をくっつけながら、 「あなたは、それでいいんです....
倫敦塔」より 著者:夏目漱石
ん》が着いている。台の前部《ぜんぶ》に藁《わら》が散らしてあるのは流れる血を防ぐ要慎《ようじん》と見えた。背後の壁にもたれて二三人の女が泣き崩《くず》れている、....
雪の武石峠」より 著者:別所梅之助
人を流さぬ川があろうぞ。またいずちに人を呑まぬ地があろうぞ。M君よりは、はるかに要慎《ようじん》深い扮装《いでたち》ながら、私はいつもの心で答えた。 甲....