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覆面
「覆面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
覆面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
室内。そこに西洋人の人形が一つ怯《お》ず怯《お》ずあたりを窺《うかが》っている。
覆面《ふくめん》をかけているのを見ると、この室へ忍びこんだ盗人《ぬすびと》らしい....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
しわぶき》の声がするや否や、きらきらと白刃《しらは》を月に輝かせて、盗人と覚しい
覆面の男が、左右から凡そ六七人、若殿様の車を目がけて、猛々《たけだけ》しく襲いか....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
ついている。そうして、いつの間にか「手摺り」の後《うしろ》には、黒い紗《しゃ》の
覆面をした人が一人、人形を持って立っている。
いよいよ、狂言が始まったのであろ....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
×
AとBとマントルを着て出てくる。反対の方向から黒い
覆面をした男が来る。うす暗がり。
AとB そこにいるのは誰だ。
男 お前たちだ....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
え、消えた後からまた浮びあがった。――銀座の花村貴金属店の飾窓をガチャーンと毀す
覆面の怪漢が浮ぶ。九万円の金塊を小脇に抱えて走ってゆくうちに、
覆面がパラリと落ち....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
かないよ。僕たちはこれでも私立探偵なんだよ。知っているでしょ、いま帝都に名の高い
覆面探偵の青竜王ていうのを。僕たちはその青竜王の右の小指なんだよ」 「まあ、あな....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
、その上に、竜の彫りもののあるすばらしい大椅子に、悠然と腰を下ろしているあやしき
覆面の人物は、四馬頭目にちがいなかった。 その左右に、部下と見える人物が、四五....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
にいった。 「わたしはゆだんをしたようだ。わたしは本隊の出発当日、身許の知れない
覆面の人物を本艇や僚艇に出入りすることを許したようだ」 そのあとは、しばらく誰....
「怪塔王」より 著者:海野十三
力の持ちぬしである怪塔王の顔だ! さていま、帆村探偵は、その怪マスクを手にして
覆面の怪塔王とむかいあっているのです。その怪塔王は、あわれにも帆村のため、両手を....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
、そしてその下にあいた口から、まっさかさまに落ちて行った。 自分の名を知る
覆面の男 肩先を、ぽんと、けられたいたみに、太刀川は、はっと、我にかえってあた....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
事の口から痛烈に論告されているところを夢見た。また或るときには、何者とも知れない
覆面の人物が犯人となっていて、その疑問の犯人から彼が責め訶まれて苦しくてたまらな....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
のだ。もし尼の顔が脂漲っていなかったら阿Qは魅せられずに済んだろう。もし尼の顔に
覆面が掛っていたら阿Qは魅せられずに済んだろう――彼は五六年|前、舞台の下の人混....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
たない内に、早くもこれの破裂で負傷したことがある。デビーもファラデーもガラス製の
覆面をつけて実験するのだが、それでも危険である。一度は、ファラデーがガラス管の内....
「山吹」より 著者:泉鏡花
巾に包み、腰に下げ、改って蹲る)はッ、静御前様。(咽喉に巻いたる古手拭を伸して、
覆面す――さながら猿轡のごとくおのが口をば結う。この心は、美女に対して、熟柿臭き....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
少年の筆らしくない該博の識見に驚嘆した読売の編輯局は必ずや世に聞ゆる知名の学者の
覆面か、あるいは隠れたる篤学であろうと想像し、敬意を表しかたがた今後の寄書をも仰....