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見え
「見え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
2
雷門《かみなりもん》から縦に見た仲店。正面にはるかに仁王門が
見える。樹木は皆枯れ木ばかり。
3
仲店の片側《かたが....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
みがさ》を深くして、敵の行方《ゆくえ》を探して歩いた。しかし兵衛も用心が厳しいと
見えて、容易に在処を露《あらわ》さなかった。一度左近が兵衛らしい梵論子《ぼろんじ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
春に逢おうなどとは、夢にも存じませんでした。」
「我々は、よくよく運のよいものと
見えますな。」
二人は、満足そうに、眼で笑い合った。――もしこの時、良雄の後《....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
堀川保吉《ほりかわやすきち》 主筆の肥っているだけに痩《や》せた上にも痩せて
見える三十前後の、――ちょっと一口には形容出来ない。が、とにかく紳士と呼ぶのに躊....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
らせながら、そこにあった箒をふり上げました。 丁度その途端です。誰か外へ来たと
見えて、戸を叩く音が、突然荒々しく聞え始めました。 二 その日のかれ....
「狂女」より 著者:秋田滋
かの兵士が、負傷した者でも運ぶように蒲団の両端をになって、その家から出てゆくのが
見えた。すこしも形の崩れぬ寝床のなかには、例の狂女が、相かわらず黙々として、いか....
「墓」より 著者:秋田滋
用心をして歩いてゆくと、まもなく、マランヴェール路の方角にあたって、幽かな灯影が
見えた。抜足差足、跫音を忍ばせて墓石と墓石のあいだを歩いて行き、彼は眼を覆わしめ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
、抱愛を約束する唇!――そして最初の接吻、思わず眼を閉じさせる、あのいつ終るとも
見えぬながいながい接吻、あの接吻こそやがて女のすべてを我が物にする、限りない幸福....
「初雪」より 著者:秋田滋
いる白堊の別荘は、折からの陽ざしをさんさんと浴びて、うつらうつら眠っているように
見えた。そして遥か彼方には、明るい家々が深緑の山肌を、その頂から麓のあたりまで、....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
世話になるようになれば、深沢は頓着せぬ様子なれど女房は胸に持ちて居ずもがなの気色
見えたり。余も心退けて安からねば「いかなる所にても自活の道を求めたし」と言えば、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
黄鼬の大きな長衣を着こみ、頭には天鵞絨の帽子を戴き、鳥の羽がさがりて顔もほとんど
見えないばかりであった。この外にフンボルトにも逢い、またゲー・ルーサックが二百人....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
おり、まだ乳ばなれしない小豚の群が飛びだしてきたが、大気の匂いを嗅ぐためのように
見えた。雪のように白い鵞鳥は堂々たる艦隊をなして、近くの池で遊弋し、家鴨の船隊を....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
。夕靄が烟るように野末にたち罩め、ものの輪廓が、ほの暗い、はるか遠方にあるように
見えた。道ばたに三本立っている見あげるような樅の木までが、まるで泣いてでもいるよ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
まらぬものであることが解る。船に乗って人の群がる岸を離れてみよ。やがて岸だけしか
見えなくなる。生きものはだんだん小さくなっていって、遂にはまったく
見えなくなって....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
い。」 と太郎右衛門は笑いながら答えました。多助と太郎右衛門が、峠を越して平原の
見えるところまで来た時、坂の下の方で伊作が一生懸命に二人の方を見て、手を振ってい....