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見える
「見える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
2
雷門《かみなりもん》から縦に見た仲店。正面にはるかに仁王門が
見える。樹木は皆枯れ木ばかり。
3
仲店の片側《かたが....
「影」より 著者:芥川竜之介
る薄暗がりが拡がっている。ただ窓掛けを引かない窓だけが、ぼんやり明《あか》るんで
見えるのは、月が出ているからに違いない。現にその光を浴びた房子は、独り窓の側に佇....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
たし》の手もとに保存してありますが、それを一々読み返すと、当時の彼の笑い顔が眼に
見えるような心もちがします。三浦は子供のような喜ばしさで、彼の日常生活の細目《さ....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
まん中へ押し立てられた。おすみは連日の責苦《せめく》のため、急に年をとったように
見える。孫七も髭《ひげ》の伸びた頬《ほお》には、ほとんど血の気《け》が通《かよ》....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
色の黒い、彼よりも肥《ふと》った兄の顔が、彼には今も頭のどこかに、ありあり浮んで
見えるような気がした。「ハハワルシ、スグカエレ」――彼は始《はじめ》こう書いたが....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
女である。これはまだ三十代であろう。が、ちょいと見たところは年よりはずっとふけて
見える。第一妙に顔色が悪い。目のまわりも黒い暈《かさ》をとっている。しかし大体《....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
堀川保吉《ほりかわやすきち》 主筆の肥っているだけに痩《や》せた上にも痩せて
見える三十前後の、――ちょっと一口には形容出来ない。が、とにかく紳士と呼ぶのに躊....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ンの下に毛だらけの馬の脚を露《あらわ》している。薄明《うすあか》りの中にも毛色の
見える栗毛《くりげ》の馬の脚を露《あらわ》している。
「あなた!」
常子はこの....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
歩いていた。あたりは広い砂の上にまだ千鳥《ちどり》の足跡《あしあと》さえかすかに
見えるほど明るかった。しかし海だけは見渡す限り、はるかに弧《こ》を描《えが》いた....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
覗くのですから、蒼白い香炉の火の光を浴びた、死人のような妙子の顔が、やっと正面に
見えるだけです。その外は机も、魔法の書物も、床にひれ伏した婆さんの姿も、まるで遠....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
らないらしい。所詮下手は下手なりに句作そのものを楽しむより外に安住する所はないと
見える。 おらが家の花も咲いたる番茶かな 先輩たる蛇笏君の憫笑を蒙れば幸甚である。....
「初雪」より 著者:秋田滋
、野はいちめんの泥海と化した。聞えるのは、ただどうどうと落ちる雨の音ばかり。眼に
見えるものと云っては、渦を巻いて飛んでいる鴉の群だけである。その鴉の群は、雲のよ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ールという所で、田舎家を借りていたこともある。窓からはチェリーの木の上に鳥の巣が
見える。母鳥が雛にはぐくむのも
見える。小羊が母を探して、戸の外までやって来る。フ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
りそって、あてもなく、ただ前へ前へと歩いて行った。その容子がいかにも哀れに悲しく
見えるので、途ゆく人は、彼等がまだ求めもしないのに、施しをした。 日曜だという....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
い。」 と太郎右衛門は笑いながら答えました。多助と太郎右衛門が、峠を越して平原の
見えるところまで来た時、坂の下の方で伊作が一生懸命に二人の方を見て、手を振ってい....