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見ず知らず
「見ず知らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見ず知らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
めながら、どうして、自分がこんな女に、ひかされるのだろうと思ったりした。ことに、
見ず知らずの男にも、なれなれしく肌《はだ》を任せるのを見た時には、いっそ自分の手....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
は、彼女にもよくわかっていた。が、男とも別れた今、その白犬を後《あと》に残して、
見ず知らずの他国へ行くのは、どう考えて見ても寂しかった。だからいよいよ立つと云う....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
わたしは第三者と一人の女を共有することに不平を持たない。しかしそれは第三者と全然
見ず知らずの間がらであるか、或は極く疎遠の間がらであるか、どちらかであることを条....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
もいいでしょう。ちょっと寄ったのよ」 とわたくしに言った。 わたくしは老婢が
見ず知らずの客を断るのは家の慣わしで咎め立てするものではありませんと雛妓を軽くた....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
。その女画家から何か貰ったね」 「と、とんでもねえ。わたしら、何を貰うものかね、
見ず知らずの阿魔っ子から……」 帆村は軽く笑んだ。 「私もお婆さんにいろいろ聞....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
十円ばかり貸してください」 「なんだ、金のことか。五十円ぐらい、ないでもないが、
見ず知らずの君に、なぜ貸さねばならないか、その訳がわからない」 宮川も、すこし....
「阿Ｑ正伝」より 著者:井上紅梅
ってその特徴を見出さなければならん」といっている。そういうわけで、ボーイも番頭も
見ず知らずのそこらの人も、一種の疑いを持ちながら自然と敬いの態度を現わした。 ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ると、咄嗟に印度人の婆さんは、その戸口に立ち塞がりました。 「ここは私の家だよ。
見ず知らずのお前さんなんぞに、奥へはいられてたまるものか」 「退け。退かないと射....
「画道と女性」より 著者:上村松園
、中途半端では却って気の毒な結果に陥りたがるものです。よく私共のところにも遠方の
見ず知らずの若い人達から手紙が来たりして、どんな苦労でもするから台所で働かして貰....
「山椒魚」より 著者:岡本綺堂
すか。」と、僕も初めてうなずいた。 いくらいたずら好きの学生たちでも、さすがに
見ず知らずの女達に対してあんな悪いたずらをする筈がない。前からの知合いと判って、....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
。初のぼりだのに、宇治も瀬田も聞いたばかり。三十三間堂、金閣寺、両本願寺の屋根も
見ず知らず、五条、三条も分らずに、およそ六日ばかりの間というもの、鴨川の花の廓に....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ざいますわ、」 「別に隠しなんぞするものか。 しかし飛んだ御厄介になりました、
見ず知らずの者が夜中に起して、何だか気が咎めたから入りにくくッていたんだけれど、....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
らない覚悟をして、うまれたばかり、一度か二度か、乳を頬辺に当てたばかりの嬰児を、
見ず知らずの他人の手に渡すんだぜ。 私は、悲しい草双紙の絵を、一枚｜引ちぎった....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
解決の研究です。無論その男性が、女性の恋を享け容れれば問題はありませんが、相手は
見ず知らずの女性です。たとえ向うはこっちの男性をよく飲み込んでそれから恋したにも....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
る。居眠りしていたのを見られたかと思うとちょっと耻しい気がした。というのは全くの
見ず知らずではなかったからだ。新生寺に滞在中この人と私は毎日のように顔を見合せて....