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見たところ
「見たところ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見たところの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
らかしやがる。」なんて云った人もある。船着だから、人気《にんき》が荒いんだ。が、
見たところ、どうもお徳が嘘をついているとも思われない。もっとも眼は大分《だいぶ》....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
。尼提はこの沙門を見るが早いか、これは大変な人に出会ったと思った。沙門はちょっと
見たところでは当り前の人と変りはない。が、その眉間《みけん》の白毫《びゃくごう》....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
》の洋服に銀鼠の帽子をかぶっている。背《せ》はむしろ低い方かも知れない。けれども
見たところはすらりとしている。殊に脚《あし》は、――やはり銀鼠の靴下《くつした》....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
しめた、武家《ぶけ》の女房らしい女である。これはまだ三十代であろう。が、ちょいと
見たところは年よりはずっとふけて見える。第一妙に顔色が悪い。目のまわりも黒い暈《....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
つか》まえようと思えば、一人《ひとり》ぐらいは掴まえられたのです。しかし掴まえて
見たところが、それっきりの話ですし、――」
「それっきりと云うのは?」
「賞与も....
「星座」より 著者:有島武郎
ら決めてかかるんだが、そういちがいにはいえるもんじゃない。何んでも浅田の話では、
見たところは小作りな、あれが評判の梶という人かと思うほど物わかりのいいやさしい人....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
てあった、お話し申すも恐《おそれ》多いが、はははははは。」
十六
「なるほど
見たところ、衣服《きもの》を着た時の姿とは違《ちご》うて肉《しし》つきの豊な、ふ....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
里飛ぶ長靴、着れば姿の隠れるマントル、鉄でもまっ二つに切れる剣――ただしいずれも
見たところは、古道具らしい物ばかりである。 第一の盗人 そのマントルをこっちへよ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は自己の所有から与え得る限りを与えんとする。彼からは今まであったものが失われて、
見たところ貧しくはなるけれども、その為めには彼は憂えないのみか、却って欣喜し雀躍....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
tiansen)の挙げた次の例に相当する。すなわち、ここに一塊の火薬が、永い間、
見たところでは何の変化もしないで置かれてある。そこで、誰かがこの火薬に火をもって....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
いるのであります。その見地から、ある権威者が米州の二十年後の生産能力の検討をして
見たところによりますと、それは驚くべき数量に達するのであります。詳しい数は記憶し....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
年十九だ。年の割合には気は若いけれど、からだはもう人並み以上である。弱音を吹いて
見たところで、いたずらに嘲笑を買うまでで、だれあって一人同情をよせるものもない。....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
もあるし、またもう自分の行く道は皆阻まれてしまったのだ、これから先苦しんで働いて
見たところでやはり何にも大したこともできないし、自分でどうしても開かなければなら....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
して。……でも無理にそんな真似をして、足利時代の絵巻物をくりひろげてお目にかけて
見たところで、大した価値はございますまい。現在の私としては到底そんな気分にはなり....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の林檎や、豆鉄砲やら、独楽、蠅とり籠、そのほか跳ねあがる紙の鶏がたくさんあった。
見たところ、つい先刻おそろしい刑罰が加えられたばかりらしく、生徒はみな忙しそうに....