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「見るからに〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見るからにの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
通って珊瑚樹垣の下をくぐった。 家のまわりは秋ならなくに、落葉が散乱していて、見るからにさびしい。生垣の根にはひとむらの茗荷の力なくのびてる中に、茗荷|茸の花....
海底大陸」より 著者:海野十三
えあれば、超人語が他の生物にもわかるというたいへんふしぎな器械だった。 「どうも見るからに、あいつはみにくいかっこうをしているじゃないか。おお、気持がわるい」 ....
怪塔王」より 著者:海野十三
ど、そこへつくまでには、三十分もかかりました。傍に来てみると、塔はますます高く、見るからに頭の上からおしつけられるような感じのする塔でありました。 「おじさん、....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
にやけた体は赤銅色で、肩から二の腕へかけて隆々たる筋肉がもりあがっているという、見るからにたくましい体格であった。 このとき、店内には、客は一人もおらず、白い....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
れは無くてはなるまい。あの、火薬庫を前途にして目黒へ通う赤い道は、かかる秋の日も見るからに暑くるしく、並木の松が欲しそうであるから。 老人は通りがかりにこれを....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
十二 「何とかいったな、あの言種は。――宴会前で腹のすいた野原では、見るからに唾を飲まざるを得ない。薄皮で、肉|充満という白いのが、妾だろう、妾に違....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
う。年紀の頃は十九か二十歳、色は透通る程白く、鼻筋の通りました、窶れても下脹な、見るからに風の障るさえ痛々しい、葛の葉のうらみがちなるその風情。 ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
身が狭い。慶造と呼ばれたのは、三十五六の屈竟な漢、火水に錬え上げた鉄造の体格で、見るからに頼もしいのが、沓脱の上へ脱いだ笠を仰向けにして、両掛の旅荷物、小造なの....
星女郎」より 著者:泉鏡花
わぬ青葉枯葉、松|薪をひしと積んだは、今から冬の用意をした、雪の山家と頷かれて、見るからに佗しい戸の、その蜘蛛の巣は、山姥の髪のみだれなり。 一軒二軒……三軒....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
齢もずっとお若く、やっと二十一か二か位に思われます。お顔はどちらかといえば円顔、見るからに大そうお陽気で、お召物などはいつも思い切った華美造り、丁度桜の花が一|....
初雪」より 著者:秋田滋
やとした、肩幅の広い男で、物わかりは余りいいほうではなかったが、根が陽気な質で、見るからに逞しい青年だった。 この縁談には彼女のあずかり知らぬ財産目あての理由....
競馬」より 著者:犬田卯
った。 相手の馬もたいてい知っていた。ただ一頭新しいやつが加わっている。それは見るからに逞しそうな、つやつやした、ようやく五歳になるかならないくらいの、油断も....
清心庵」より 著者:泉鏡花
ばを取りしに思いがけず真黒なる蛇の小さきが紫の蜘蛛追い駈けて、縦横に走りたれば、見るからに毒々しく、あまれるは残して留みぬ。 松の根に踞いて、籠のなかさしのぞ....
絵筆に描き残す亡びゆく美しさ」より 著者:上村松園
ものになってしまいました。 かんざしも夏には銀製の薄のかんざしをさしたもので、見るからに涼しげな感じのものでした。今も銀の薄のをさしてはいますが、薄の形が変っ....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
がほしいんだが」 博士はいわれるままに、たばこを透明人間にあたえた。ところが、見るからに奇怪なことが起こった。それは透明人間が、うまそうにたばこを吸いはじめる....