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「見るに堪えない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見るに堪えないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
んだ。 新一郎は、熱湯を呑む思いであった。 先刻からも、頼母の必死の形相に、見るに堪えない思いをしながら、際あらばと、太刀を構えていたのであるが、相手にそれ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
者の前にひざまずいて拝謝する老人――彼は恐らくこの家の忠僕であろう。――その姿を見るに堪えないような悼ましい心持になって、僕はおもわず顔をそむけた。 「夜風に長....
」より 著者:島崎藤村
黄な花の咲く野菊の根などを記念に携えて、弟の家族に別れを告げた。お種は自分の家を見るに堪えないような眼付をして、供の嘉助と一緒に、帰郷の旅に上った。 翌年の三....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
た切り合わせ方の呼吸などがそれである。あれをもう少し下手にやろうものならおそらく見るに堪えない退屈なものになるにちがいない。 ソビエト映画「全線」というのを見....
或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
らさし込んで天井の高い白壁に湛えられてる、薄曇りの昼間の影のない明るみの中では、見るに堪えないようなものを、彼女の全体から嗅ぎ出したのである。 「まあお坐りよ。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
たものが、すべて彼女のあとに残ってたものが、家の前の街路に並べられていた。彼には見るに堪えない光景であった。彼は急いで通りすぎた。玄関でベルトルトに出会った。ベ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
オリヴィエを好きだったが、不幸な人を嫌《きら》いだった。自分は感じやすくて悲哀を見るに堪えないと思っていた。オリヴィエの悲しみが過ぎ去るのを待っていた。そして、....
三十歳」より 著者:坂口安吾
こに限ってアンダーラインをひいていたことを、その道々苦笑したが、後日になっては、見るに堪えない自責に襲われ、殆ど、強迫観念に苦しむようになったのである。 ....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
れます」 「ミイラとりがミイラになるなよ。キサマの相には、女に甘いところがある。見るに堪えないところがあるぞ」 「ハハッ。相すみません。充分自戒しておりますから....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
を出ないものが事実あり、舞台俳優としては相当の年功を積んだものが、スクリーンでは見るに堪えない芝居をするという場合が屡々あり、その結果、特に映画の立場から、舞台....
」より 著者:犬田卯
。 「なんだか、おっ母さんら――」とおせきは突慳貪に叫んで、ヨシ子の枕頭からその見るに堪えないものを追いのけるように、自分の身体をぐいと持って行った。 「なんだ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
舞台には鉄の柱をたてて、うしろからその身体を支えているらしかった。わたしはそれを見るに堪えないくらいに悼ましく思った。 「弁天小僧」がはじめて書きおろされたのは....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
んで飲まねばならぬような始末。実際はそれよりも酷い事があって実に言うに堪えない、見るに堪えない汚ない事をやります。折々はその習慣に慣れようと思いましてもいかにも....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
しかしその乱用は勿論、厳禁されている。素子も強く自戒している。が、これ以上、私は見るに堪えない。 「母さん、もうそろそろ疼痛時にしないかね」 見ると、素子の顔....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、厭らしいのといったらないのだ。淫猥とも俗悪とも、それがその悪達者なだけにとても見るに堪えない代物なのである。 社日ざくらに十神やま やんややんやと、観衆が笑....