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見做す
「見做す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見做すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「如是我聞」より 著者:太宰治
かろう。所謂「落ち」を、ひた隠しに隠して、にゅっと出る、それを、並々ならぬ才能と
見做す先輩はあわれむべき哉、芸術は試合でないのである。奉仕である。読むものをして....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
政事家がその持説として唱道し、大いに世道人心を動かすに至りてはすなわち一の論派と
見做すにおいて妨げあらじ。この急進論派は他年の民権説に端啓を与えたるや疑うべから....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
を立てて見よう。この「本質的な外見」を何等かの外見と見る代りに何等かの本質自身と
見做すならば、それは外見的な現象に捉われる見地である。この見地によれば、技術乃至....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
ことを欲しないのである。前者は後者を以て、自己の拡大・訂正・追加に過ぎないものと
見做すことが、事実上常に出来るからである。もし後者が前者を否定したのであったなら....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
見做そうとする傾向を生じた。そして事情の許す限りは物質を空隙のないコンチニウムと
見做す事によってその運動や変形を数学的に論じる事が出来た。あらゆる現象は出来るだ....
「技術的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
、つまり論理的精神である。田辺元博士はこの二つの規定を以て、相反する二つの契機と
見做す。実験と理論との対立、経験論と合理論との対立、其の他は之に他なるまい。そし....
「方則について」より 著者:寺田寅彦
るが、自分はあながちそうとは思わない。 ガス体の方則などはガスを均質な連続体と
見做す時は至極簡単な意味のものであるが、これが沢山な分子の集合体であると見做せば....
「省察」より 著者:デカルトルネ
、従ってそれを否定するよりも信ずることが遥かに多く道理に適っているもの、であると
見做す間は、私は決してそれに同意しそれを信用する習慣を脱しないであろう。かるがゆ....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
ョックを与えて犯人を苦しませてやりたいと思いました。むかしの拷問は一種の刑罰法と
見做すべきものでして、犯人を苦しませるには誠によい方法ですが(尤も主として肉体的....
「血の盃」より 著者:小酒井不木
の言うように、偶然というものは、実は原因を見つけることの出来ぬ程複雑な「必然」と
見做すのが至当であって、怪談や因果|噺の中にあらわれる偶然を、私はむしろ、この「....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
ぜしめられるものでありますから、肺結核は要するに人類文化に対する一種の天の皮肉と
見做すことが出来ます。その証拠には、現代の医学は結核に対して何の権威を持ちません....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
らずに暴露けた処に椿岳の画の尊さがある。 椿岳の画は大抵小品小幀であって大作と
見做すべきものが殆んどない。尤もその頃は今の展覧会向きのような大画幅を滅多に描く....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
確かに露国のような人間が入ったと聞いたならば、もはや英領インドは征服されたものと
見做すでありましょう。
それではチベットはもはや独立することが全く出来んのかと....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ざいます」彼女はその返答を口授した使者を送った。「伯爵に伝えよ、朕が自らを高価と
見做すこと、卿自身を評価するに異ならず」 エセックスは再び手紙を書いた「男として....
「囚われたる現文壇」より 著者:小川未明
いかなる主義と雖も現実から出発していないものはない。現実を有りのまゝの静止したもの、固定したものと
見做すのが間違っている。現実はどうともすることの出来ない客観的の実在であると同時....