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見出だす
「見出だす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見出だすの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
った。が、それまで眩《まば》ゆい日の光に慣れていた眼は、そこに瞳を痛くする暗闇を
見出だすばかりだった。その暗闇のある一点に、見つづけていた蝿が小さく金剛石のよう....
「地図に出てくる男女」より 著者:吉行エイスケ
近く蒙古青年貴族と結婚し、騎馬によって内蒙古に出発する事実が記事になっているのを
見出だすのであった。 急に部屋が騒がしくなった。坊主頭のロシア人のジャズ・バン....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
て、私はその最も純粋に近い現われを、相愛の極、健全な愛人の間に結ばれる抱擁に於て
見出だすことが出来ると思う。彼等の床に近づく前に道徳知識の世界は影を隠してしまう....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
なく、又単なる教育の問題でもない。この問題は大衆の階級的動きの他には実地の解決を
見出だすことが出来ないということになる。女性教育に就いてすぐ様思い浮べられるのは....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
れようという計算も胸に収めていた。本流では、あるいは手近かなところに土人の漁場を
見出だすことが出来るかも知れない。イシカリの河畔に点在するという鮭《さけ》場所の....
「科学的研究と探偵小説」より 著者:小酒井不木
行っても面白い。それこそスチーブンソンではないが、辻馬車を見ても一種のロマンスを
見出だすようなこともある。倫敦塔や、セント・ポールス寺院を訪うたびにエーンズウォ....
「乱歩氏の諸作」より 著者:平林初之輔
ることに対して私たちは不満を感ずるのである。もっと常態な、健康なものの中に神秘を
見出だすという方面へ氏の努力が転向されたなら、氏の想像力はもっと効果のある作品を....
「妖怪学」より 著者:井上円了
短一定せずして、色はたいてい白きを常とすれども、折々、赤き色または青き色のものも
見出だすことあり。 これらの試験法によりて、余は先年、不思議研究会において、そ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
事情で大芝居から小芝居へ流れ落ちた者もまじっていて、そこに侮るべからざる腕利きを
見出だすこともあった。 いつの代にも観客は大芝居の客ばかりでない。殊に活動写真....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ぞなりにける。
尋ぬとも、その落著は
つひに帰らじ、とこしへに。
小窓よりわが
見出だすは、
彼人|来やと待つばかり。
門の外へわが出で行くは、
彼人迎へに行く....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
数な川すじと、川に拠って営みしている部落部落の灯やら野の灯を、しずかな夕霞の下に
見出だす。 さっきから人待ち顔に、安福寺の下に佇んでいた地侍風の男がある。――....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
凝集され、尊氏の意図は、かえって思いもしなかった自分からの離反者を漠々たる彼方に
見出だす結果となっていた。 そんな軍旅の出先で、 「なに、直義が?」 と、彼....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
には、『江家次第』に散所衛士というのがある趣にみえているが、いまだ本書からこれを
見出だすの暇がないから、これまたしばらく保留しておく。(『民族と歴史』第四巻第三....