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見切り
「見切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
いわれようと、他人手《ひとで》を待っていてはとても自分の思うような道は開けないと
見切りをつけた本能的の衝動から、知らず知らず自分で選び取った道の行く手に目もくら....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
な音をたてて風のこもる霜枯れの防風林には烏《からす》もいなかった。荒れ果てた畑に
見切りをつけて鮭《さけ》の漁場にでも移って行ってしまったのだろう。
昼少しまわ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
取りかかれそうもなかった。金のあるあいだは何を考えても無駄なことだと、彼は自分で
見切りを付けていた。 その金がいよいよなくなったらどうする――その時になったら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
仲裁人らは再び交渉をすすめて、六百両までに相場をせり上げると、次右衛門もここらが
見切り時と思ったらしく、渋々ながら承諾した。しかも大金であるから迂濶に渡すことは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れど、向うに荒神様が付いているんでね。今夜という今夜はもうどうにもしようがないと
見切りをつけて、おまえさんのところへ駈け付けた訳なんですから、その積りで度胸を据....
「親子」より 著者:有島武郎
督が父の代から居ついていて、着実で正直なばかりでなく、自分を一人の平凡人であると
見切りをつけて、満足して農場の仕事だけを守っているのは、彼の歩いて行けそうな道で....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
た味を感じだしたのだ。 それに、父の兄の話を本当だとすると、父はもう軍人生活に
見切りをつけて、実業界へでも鞍がえするつもりでいるらしかった。毎朝新聞を見るのに....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
行なわれるに付けて、むかしの貸本屋もだんだんに亡びてしまうので、上田屋もとうとう
見切りをつけて、日清戦争前後に店をやめてしまった。しかしほかにも家作などをもって....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いう下心があったところへ、こんな騒ぎがまたもや出来したので、父の市兵衛はいよいよ
見切りを付けまして、百何十年もつづけて来た商売をとうとうやめることに決心しました....
「密林荘事件」より 著者:海野十三
…」 「僕はそこでずっと釣りをつづけました。獲物もかなり溜ったので、十一時にもう
見切りをつけ、その場所を放れて帰途についたのです。で、山荘の近くまで来たとき、僕....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
衆などは、余程考えていなければ成らないので、大概なら剣道とか槍術とか、そんな方は
見切りをつけて、砲術を学んだ方が為に成る。それには一度毛唐人の国へ行って来た方が....
「山椒魚」より 著者:岡本綺堂
」 「知りませんね。」 なにを訊かれても一向に要領を得ないので、通信員の方でも
見切りをつけたらしく、いい加減に話を打ち切って僕の座敷を出て行ってしまった。しか....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
いくら修業をしたところで所期の幸福は得られそうもない。若い慧鶴は遂に宗教的救済に
見切りをつけ、生きているうちはせめて楽しもう、誰でも人生問題に行き悩んだ人が解決....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
みえて、まだ何の手がかりもないのでございます。それで、私はもうそういう方面に実は
見切りをつけまして、誰にも相談せずに、先生のところへ飛び込んで、お願いにまいった....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
なかいいものだった。 お雪は気のやさしい従順な女だったが、私はちょうど石炭屋に
見切りをつけたころで、一時身をかくす必要もあって二人でかけ落ちして京都へ出た。当....