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見合せ
「見合せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見合せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
らず××町青年団と書いた提灯《ちょうちん》が幾つも動いていた。僕は従姉たちと顔を
見合せ、ふと従兄には××青年団団長と云う肩書もあったのを思い出した。
「お礼を言....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
。何とそう云う道理ではあるまいか。」
これを聞いた盗人たちは、今更のように顔を
見合せたけはいでございましたが、平太夫《へいだゆう》だけは独り、気違いのように吼....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
人たちは、これだけでも、もう荒胆《あらぎも》を挫《ひし》がれたのでしょう。皆顔を
見合せながらうっかり側へ寄って火傷《やけど》でもしては大変だと、気味悪るそうにし....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
お嬢さんの顔を眺めた。お嬢さんもじっと彼の顔へ落着いた目を注いでいる。二人は顔を
見合せたなり、何ごともなしに行き違おうとした。
ちょうどその刹那《せつな》だっ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
そうだから、可笑《おか》しいじゃありませんか。」
藤左衛門と忠左衛門とは、顔を
見合せて、笑った。復讐の挙が江戸の人心に与えた影響を耳にするのは、どんな些事《さ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
さめています。」
「目はさめているけれどさ。」
叔母はお絹と長火鉢越しに、顔を
見合せたらしかった。姉は上眼《うわめ》を使いながら、笄《かんざし》で髷《まげ》の....
「老年」より 著者:芥川竜之介
己《おれ》が憎いと云った。芸事と……」
中洲の大将と小川の旦那とは黙って、顔を
見合せた。そして、長い廊下をしのび足で、また座敷へ引きかえした。
雪はやむけしきもない。……
(大正三年四月十四日)....
「路上」より 著者:芥川竜之介
れるんだとさ。僕は二段ずつ一遍にとび上る事が出来るんだぜ。」
俊助は辰子と顔を
見合せて、ようやく心置きのない微笑を交換した。
十一
辰子....
「白」より 著者:芥川竜之介
たが、お隣の黒君は掴《つか》まりましたぜ。」
それでもお嬢さんや坊ちゃんは顔を
見合せているばかりです。おまけに二人はしばらくすると、こんな妙なことさえ云い出す....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
臆面《おくめん》も無く力競べをしていた若者たちはいずれも興《きょう》のさめた顔を
見合せながら、周囲に佇《たたず》んでいる見物仲間へ嫌《いや》でも加わらずにはいら....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いけませんか?」と質問する)いや、『全否定論法』を加えることは少くとも当分の間は
見合せなければなりません。佐佐木氏は兎に角声名のある新進作家でありますから、やは....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
、申し上げるまでもありますまい。
私はその間《あいだ》に煙客翁と、ひそかに顔を
見合せました。
「先生、これがあの秋山図ですか?」
私が小声にこう言うと、煙客....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
た一度じゃ。」
「恐れながら、その儀ばかりは。」
「いかぬか。」
二人は、顔を
見合せながら、黙った。しんとした部屋の中には、油を吸う燈心の音よりほかに、聞える....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
その後で新蔵とお敏とは、まるで悪い夢からでも醒めたように、うっとり色を失った顔を
見合せましたが、たちまち互の眼の中に恐しい覚悟の色を読み合うと、我知らずしっかり....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
た。彼の歌は彼に似げない激越の調べを漲らせていた。妃たちや家来たちはいずれも顔を
見合せたりした。が、誰もソロモンにこの歌の意味を尋ねるものはなかった。ソロモンは....