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見向く
「見向く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見向くの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
「おや、出刃打ちの連中があすこに憩《やす》んでいなさるようだ」 「どれどれ」と
見向く年増の背後《うしろ》に声ありて、 「おい、そろそろ出掛けようぜ」 旅装束....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
合は笊に米をうつす。 学円 やあ、お精が出ます。(と声を掛く。) 百合 はい。(
見向く。) 学円 途中、畷の竹藪の処へ出て……暗くなった処で、今しがた聞きました....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
何かい、旅籠屋ですか。」 「湊屋でございまさ、なあ、」と女房が、釜の前から亭主を
見向く。 「湊屋、湊屋、湊屋。この土地じゃ、まああすこ一軒でござりますよ。古い家....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
含んだ、燃ゆるがごときその女の唇を見た。 「つい言ッちまったのよ。」 と紳士を
見向く。 「困った人だね、」 と杖を取って、立構えをしながら、 「さあ、行こう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、その後ろから、不意に物影が暖かくかぶさりましたのに、無心の境を破られて、はっと
見向くと思いがけなく、自分の背後にお銀様が例の覆面のままで、すらりと立って、こち....
「千世子」より 著者:宮本百合子
気分やらが千世子を満足させることは出来なかった。 見れば見るほどあらが出てもう
見向くのもいやになってしまってからは毎日毎日わだかまりのある様な、笑いながらもフ....
「慾」より 著者:豊島与志雄
こうも多忙ではあるまい。彼等に適当な衣食住と性欲機関とを与えれば、誰も金銭などを
見向くものはあるまい。少なくとも僕は見向かない。あの時でさえ、「不自由な」僕でさ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
ッ、静御前様。(急に恐入ったる体にて、ほとんど土下座をするばかり。間。酔眼を鯉に
見向く)やあ、兄弟、浮かばずにまだ居たな。獺が銜えたか、鼬が噛ったか知らねえが、....