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見定め
「見定め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
見定めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
らが影法師《かげぼうし》だか、その辺の際どい消息になると、まだ俊助にははっきりと
見定めをつける事がむずかしかった。だから彼は花房の饒舌《しゃべ》っている間も、時....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
銀紙が、覚束《おぼつか》なく光っているので、知れたのである。
李は、これだけ、
見定めた所で、視線を、廟の中から外へ、転じようとした。すると丁度その途端に、紙銭....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
間《みけん》へ閃《ひらめ》いた。そのために血が眼へはいって、越中守は、相手の顔も
見定める事が出来ない。相手は、そこへつけこんで、たたみかけ、たたみかけ、幾太刀《....
「或る女」より 著者:有島武郎
がら、一種のリズムの中に揺り動かされるようになって行った。何を見るともなく凝然と
見定めた目の前に、無数の星が船の動揺につれて光のまたたきをしながら、ゆるいテンポ....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
頭がちょっぴり水の上に浮《うか》んでいる方を指しました。
若い男は私の指す方を
見定めていましたが、やがて手早く担っていたものを砂の上に卸《おろ》し、帯をくるく....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、低声で気をつけたその大揺れの船が、この時、最早や見事な難船。 お妙はその状を
見定めると、何を穿いたか自分も知らずに、スッと格子を開けるが疾いか、身動ぎに端が....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ら、漁夫たちは見慣れた山々の頂をつなぎ合わせて、港のありかをそれとおぼろげながら
見定める。そこには妻や母や娘らが、寒い浜風に吹きさらされながら、うわさとりどりに....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
石地蔵様に化けてはいねえか。」 と、石投魚はそのまま石投魚で野倒れているのを、
見定めながらそう云った。 一人は石段を密と見上げて、 「何も居ねえぞ。」 「お....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、共に死のうと決心した。 葛籠に秘め置く、守刀をキラリと引抜くまで、襖の蔭から
見定めて、 (ああ、しばらく、) と留めたは、さて、殺しては相済まぬ。 これ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
壺眼はいよいよ光った。 「それじゃまた来ましょう。」 「まあ、貴方。」 風体を
見定めたか、慌しく土間へ片足を下ろして、 「直きに帰りますから、まあ、お上んなさ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
いらしきりに前後を※した、……私は書割の山の陰に潜んでいたろう。 誰も居ないと
見定めると、直ぐに、娘をわきへ推遣って、手代が自分で、爺様の肩を敲き出した。 ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
差出したのを、お兼は何条|見免すべき。 はじめは怪み、中は驚いて、果はその顔を
見定めると、幼立に覚えのある、裏長屋の悪戯小憎、かつてその黒い目で睨んでおいた少....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
、確と、その実は蔽が見えるのでもなく、勿論揺れるのでもない、臆病眼が震えるのを、
見定めようと思ったが、頭が重いのに、瞼がだるく、耳が鳴る。手足もぐったりで、その....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
す。産土神様からお届出がありますと、大国主命様の方では、すぐに死者の行くべき所を
見定め、そしてそれぞれ適当な指導役をお附けくださいますので……。指導役は矢張り竜....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
色に似通っているところから、草叢の間を歩いているときなどは余程近くに在っても中々
見定めにくいのであるが、その牡鳥は多くは二尺位もある長々しい尾を持っているので、....