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「見巧者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

見巧者の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おもしろいという話ですから、その点から申しますと、存外将軍さまもすみにおけないお見巧者であったことになりますが、いずれにしてもその日お呼び出しにあずかった者ども....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
賀之助、小団次の天一坊という役割であった。 わたしの予想通り、老人はなかなかの見巧者であった。かれはこの狂言の書きおろしを知っていた。それは明治八年の春、はじ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
御殿女中や若い娘達には人気があって「権ちゃん、権ちゃん」と頻りに騒がれていたが、見巧者連のあいだには余り評判がよくなかった。藤崎さんも年の割には眼が肥えているか....
寛永相合傘」より 著者:林不忘
る。しかし、いきり立っている甚吾左衛門に対してはもちろん、きょうの今までの自分の見巧者の手前もここはなんとかぜひ一言なかるべからざるところだ。第一ぐずぐずしてい....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
度の狂言で見ても、女形《おやま》ばかりか、立役をしても、立派なものであろうとの、見巧者連《みこうしゃれん》の噂――大師匠も運がよい。すばらしいものを見出されたも....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
誦するような超世間的態度で芝居やカフェーにのみ立籠っていて人生の見物左衛門となり見巧者訳知りとなったゞけでは足りない。日本の文人は東京の中央で電灯の光を浴びて白....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
男の水垂のげん公を見た道庵先生が、 「どうもいけねえ、昔はそれ、芝居に、なかなか見巧者《みごうしゃ》というやつがいて、役者がドジをやると半畳をうちこんだものだが....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
他、水魚連《すいぎょれん》とか、六二連《ろくにれん》、見連《けんれん》といった、見巧者《みごうしゃ》、芝居ずきの集まった、権威ある連中の来た時など、祝儀をもらっ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
かわかるまいに、どうしてお前は探ったな?」「いえ、そいつはこうなので、見物の中に見巧者がいて、噂をしたのでございますよ」「ほほう、なるほど、どんな噂だな?」「な....
演劇への入口」より 著者:岸田国士
い。その「いいところ」とは、どういうところかを、自然に会得したものが、いわゆる「見巧者」である。 「おもしろくない」けれど、「いい芝居」だというようなものが、も....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
んの公約数のだし方にはソツがなく、その限りに於て相当合理的で、易者としては一級の見巧者と申せよう。 はじめ記者がこの写真を持参した某易断所は、写真の易はダメだ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の露が飲みたいという意味の辞世の句を残して儚うなり、贔屓の人々は謂うまでもなく、見巧者をはじめ、芸人の仲間にも、あわれ梨園の眺め唯一の、白百合一つ萎んだりと、声....
役者の顔」より 著者:木村荘八
には歌舞伎マスクの足りないことは、却って目に余るものがあります。 今更のように見巧者が老残の人に走って、宗十郎カブキを伝承するのも、故あることとなります。 ....
春泥」より 著者:久保田万太郎
てはならぬ愛嬌ものになった。かれが出るとわけもなく客は喜んだ。劇評家たちは、その見巧者ぶりをみせたいため、興行毎に必ずかれについて必要以上の筆を費した。――かれ....